ベネズエラ:暴力の連鎖を止めよう!

2014年2月上旬に発生した政府支持派と反政府派の対立デモが引き金となり、ベネズエラでは暴動が発生、かつてない混乱に陥っています。

武装した政府支持派グループの攻撃や、反政府派と治安部隊の衝突で3月末の時点で死者は37名、けが人は500名以上、さらに2000名以上の逮捕者が出ています。ベネズエラ政府がこの政治的分断を解決する努力をせず、放置していることで事態は悪化しています。

【更新情報2014.05.14】
5月7日から8日にかけ、反政府デモに参加していた243人がカラカスの治安部隊に拘束されました。その後の所在はわからないままで、拷問や虐待を受ける恐れがあります。

今すぐベネズエラ政府に対し、今回の事件について調査を実施し、これ以上の人権侵害を防止するよう訴えてください。

逮捕された人びとの多くは条件付きで釈放され、捜査中となっていますが、数年は刑務所に入らなければならない罪に問われる可能性があります。

多くの死者と負傷者を出す事態に発展した背景には、武装した政府支持グループが反政府派を攻撃したことが大きいと考えられます。反体制派も政府支持グループに対抗し、暴力の連鎖が起きています。また、治安部隊による過度な制圧行為があったという報告も相次いでいます。アムネスティが収集した情報によれば、治安部隊による過剰な武力行使だけでなく恣意的な逮捕があり、拘束された人たちの一部は、虐待や拷問を受けています。

4月3日、マドゥロ大統領は国家機関として「人権理事会」を設置し、反政府派の暴動事件についての解明を行うとしていましたが、いまだ解明は行われておらず、人権侵害の危機は続いています。

この数十年、ベネズエラの社会は二つに分断されています。

マドゥロ大統領は、昨年死去したウゴ・チャベス前大統領の後継者として、貧困層の支持を引継ぎました。しかし、チャベス前大統領のようなカリスマ性はなく、チャベス大統領に批判的な層との対立が深まっています。また、深刻な物不足、異様な物価上昇、暴力犯罪の増加など社会情勢が大きく悪化し、政権への不満が極度に高まっています。

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激化するデモで死んだ者たちの慰霊(C)Manaure Quintero Alvarez政府支持派と反政府派の衝突で亡くなった人びとを悼む慰霊の十字架(C)Manaure Quintero Alvarez

ウゴ・チャベス前大統領の政権は1999年に成立しました。前大統領は反米路線を打ち出し、貧困層のための政府を主張し人気を得ました。当時は貧困層のために医療や教育支援をキューバから受けるなどし、貧困削減のために一定の成果を上げたと言われています。

一方で企業の国有化が相次ぎ、外国人投資家がこぞって資金を引き揚げたことにより経済は悪化しました。この政策は富裕層の反発を招き、反チャベス政権を目標にした反政府派と、貧困層の支持するチャベス政権支持派の二つに国は分断されてしまいました。

中南米諸国を独立に導いたシモン・ボリバルの革命を手本にしていた前大統領は、カリスマ性を有しており、癌のため2013年3月5日に死去した際にも数万の市民が棺を見るために押しかけました。

その後、前大統領が指名したニコラス・マドゥロ副大統領が暫定大統領に就任し、2013年4月14日に大統領選が行われ、与党候補マドゥロ暫定大統領が50.8パーセントの得票率を得て当選しました。同16日、選挙結果を受け49.0パーセントの得票率で落選した野党候補カプリレス氏の支持者らによる暴動が発生し、マドゥロ大統領支持者7人が死亡しました。野党支持者らは治安部隊と衝突、3名が死亡し、170名が逮捕されました。

政府支持派と反政府派の対立が続く中、今年2月からは各地で反政府デモが頻発し、亀裂が一層深まっています。

アクションに参加しよう!

マドゥロ大統領に対し、政府支持派と反政府派の衝突で起きた死傷事件を調査するよう、また、暴力でなく政治対話で対立を解決するよう、要請してください。署名はアムネスティ日本でとりまとめ、マドゥロ大統領に送ります。

アクション期間 このアクションは終了しました。(2014年5月7日~6月2日まで)
要請先 ベネズエラ政府 マドゥロ大統領