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イベント報告【イベント報告】多摩少年院を参観しました

参加したメンバー参加したメンバー

2016年8月4日、アムネスティ日本・国内人権ネットワークによる多摩少年院の参観を行い、14名の方にご参加いただきました。職員の山口が報告します。

多摩少年院は、大正12年(1923年)に、日本で初めて矯正院(少年院)として設立されました。八王子一体は絹織物が名産で、当時は桑畑が広がっていたそうです。その頃の名残で広大な敷地にゆとりある設計がされています。

少年院は、家庭裁判所の審判によって、保護処分として決定を受けた12歳以上20歳未満の少年を収容する所です。刑事処分ではなく、生活指導や職業指導といった、社会に少年が戻ることを視野に入れた少年の育成が目的となっています。

ご担当者の方によれば、少年の自覚に訴え無理やりではなく本人自身がやる気を出すような方法をとった社会適応過程を設けているそうです。子どもの権利条約に基づき、子どもの「最善の利益」のため、自己決定の機会を身に着けさせることが重要ということでした。

基本的に、家庭裁判所から少年院に送られる子どもは全体の3パーセントしかおらず、家庭に戻せるならば家庭へ戻されることが多いといいます。少年院に送られるのは、帰る場所がない深刻なケースになります。

平成22年度(2010年)は窃盗で少年院に送られた子が多いのに対し、平成27年度(2015年)は詐欺によって送られる子が急増したそうです。アルバイトの感覚で、「オレオレ詐欺」に加担してしまう子がおり、法務省も非行の内容別に矯正プログラムを作って対応しています。

非行の内容の違いだけでなく、成育環境もそれぞれ違うため、一人ひとりの教育メニューを作らなければなりません。基本原則として、処遇の個別化と、集団生活を通じての社会化の促進を念頭に、現在収容されている 148人のメニューが作成されています。少年院を出る時期は、その教育メニューにそって、個別に判断されます。11カ月が基準ですが、等級ごとに分けて社会への適応を判断します。等級を一つクリアすると、次の等級へ進み、最終的に出院となるため、一人ひとりの進捗状況は異なります。

教育メニューのなかには職業訓練が含まれており、資格取得が可能なものが数多くありました。例えば、ガス溶接技能、危険物取扱者、フォークリフト運転業務など、短期間で集中して取ることのできる技能が準備されています。資格の取得は、今まで社会から認められたという経験に乏しい子どもにとって、取得作業自体、自分にもできるという自己イメージを変える大きなきっかけになるそうです。

施設内の見学では、そういった資格取得のための教室がいくつもならんでおり、参観当日は高校卒業程度認定試験も行われていました。また、農園芸科という、農作業の指導もあり、近くの畑で野菜が育っているところも見ることができました。広いグラウンドもあり、近隣への貸し出しが行われることもあるそうです。

少年院の出院後、残念ながら10パーセントの少年が1年以内で戻ってくるそうです。さらに5年以内だと15パーセントに割合は増加します。今までは、保護士などが出院後の引き受け役となり、少年院の職員は連絡できずにいました。しかし、少年法の法改正によって、少年院の元の担当職員に相談できるようになりました。すでに30件くらい相談が寄せられたとのことで、親身になって相談にのってくれる頼れる大人が一人でもいることは、出院後の少年にとって社会の適応の大きな支えになります。

ご担当の方が、少年院にいる子どもたちも自分の子どもと一緒なのだということを伝えたいとおっしゃったことが大変印象的でした。また、非行に走らせた原因は見過ごした地域の人の責任もあるとご指摘され、子どものSOSを見逃さない取り組みが必要であると考えさせられました。 少年院のような施設は厄介な施設だと捉えられることがあります。少年は必ず変わることができることを心に留め、社会復帰を地域だけでなく、私たちも一市民として後押ししなければならないでしょう。

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参加者からは多くの質問が出ましたが、丁寧にご回答いただきました。参観を受け入れていただいた多摩少年院のみなさま、ありがとうございました。

 

開催日 2016年8月4日(水)
場所 多摩少年院
主催 アムネスティ日本 国内人権ネットワーク

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