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イベント報告【イベント報告】滋賀刑務所を参観しました

2018年9月11日、滋賀刑務所の参観を行いました。前回の参観は2014年11月でしたので4年ぶりの参観、参加者は15名でした。

はじめに刑務所の管理棟の会議室で、滋賀刑務所が制作した受刑者たちの一日を示すビデオ(約20分)の上映が行われ、その後係官の案内で、二列に並んで収容区画を30分ほどで一巡し、工場、受刑者の居室(共同室と単独室)、講堂、運動場、浴場、調理場、更衣室などを見学。受刑者の姿を工場、職業訓練を受ける部屋、講堂、調理場などで目にしました。見学後、会議室で総務部長らによる、あらかじめ提出しておいた質問事項にたいする回答、その他の質疑応答と説明が1時間少々行われました。

施設の概要

現在の建物は昭和41年(1966年)に建てられたものであり、外観は整っているものの老朽化が進んでいるようであり、廊下は狭く二列になって歩くのがやっとであり、天井には配管がむき出しになっていました。バリアフリー化はほとんど行われていないようでした。

滋賀刑務所は初犯の受刑者のみを収容する施設ですが、拘置所も併設されており、彦根市に拘置支所があります。敷地は約6万3000㎡(約2万坪弱)、収容定員は706名(受刑者592名、未決囚114名)。拘置区画には少数ですが女性の未決囚も収容されており、そのため女性の刑務官も配置されているとのこと。受刑者の実数は472名、未決囚の実数は55名(うち女性が5名)。収容率は約75%。この収容率はやや高く、80%を超えると居室のやりくりなどが困難になり好ましくないとの説明でした。職員定員は182名、実数は男性刑務官が158名、女性刑務官が5名。医療体制は常勤の内科医と外科医が各一名(非常勤はいない)、看護師1名、准看護師が5名。年一回健康診断が行われるとのこと。

グランド:校庭程度の広さ。運動時間は1日に45分(居室との行き帰りなどの時間を含むため実質的には30分)とされており、天気が良い日はグランド、天気が良くない日は室内(講堂)が使用されます。工場・職業訓練室:刑務所内には工場があり、受刑者は工場(木工、印刷、洋裁、紙製品加工など)での生産作業が科せられるか、職業訓練を受けます(パソコンを用いての情報処理技術、CAD技術、ビジネススキル、電気通信設備などに関する職業訓練)。このため、パソコンが供えられた部屋が数部屋設けられていました(各部屋で10人ぐらいが訓練を受けていました。パソコンを用いた訓練は4年前に参観した際にはほとんど行われていませんでした)。

浴場:一カ所。銭湯にあるような大きな浴槽が二つ。入浴時間は15分。入浴の効率をよくするために浴場の両側に脱衣場が一部屋ずつ設けられています。入浴は冬季は週2回、夏季は週3回(+シャワー)。

調理場:給食のための調理作業は受刑者が行っています。一日約1600キロカロリー。一日の食材費400円少々。麦3分入りのご飯。食事は労働の軽重によりカロリー数で3種類(副食類は同じ、ご飯の量が異なる)が用意されます。

施設は全体的には4年前の参観のときから大きくは変わっていませんが、職業訓練用のパソコンが用意された部屋が数部屋設けられていたこと、共同室(雑居房)のトイレが小部屋により仕切られて外から見えないようにされていた(以前は下半身が見えないように小さな衝立程度の板で仕切られているに過ぎなかった)ことなどの変化が認められました。建物が古く、今後は高齢の受刑者のためのバリアフリー化を進める必要があるのではないかと感じられました。

受刑者の概要と処遇など

受刑者の刑期:平均およそ3年半、初犯者のみを受け入れているため再犯者はいないが、執行猶予を取り消されて戻ってくる例が少なからずあるとのこと。入所時に本人の経歴などについて(例、暴力団員であったかどうかなど)かなりの調査を行うとのことでした。

障害者について:精神障害0名、知的障害と発達障害は統計なし(まったくいないとは考えられないためで、入所時にきちんとした検査を行っていないのではないかと疑われます)、身体上の疾患・障害0名、ろうあ者1名。

外国籍受刑者:26名(韓国21名、中国1名、北朝鮮1名、ベトナム1名、その他1名)。ほとんどが日本育ちの受刑者。日本語が不自由な受刑者は受け入れておらず、そうした受刑者は大阪刑務所・加古川刑務所などに収容されます。

年齢構成:60歳以上96名(65歳以上68名、70歳以上41名、最高齢者91歳)

知能指数:49以下37名、50~59が55名、60~69が88名、70~79が114名、80以上が150名(日本人の平均値は100前後とされていますので、かなりの数の受刑者が平均値を下回っていることになります)。

保護室(注参照)の使用頻度・収容期間など:収容が実施された回数は今年4~7月の間に延べ10回、実人数7名、最長5日間。収容の際に第二種手錠(注参照)が併用された者1名(注:保護室というのは自殺・自傷の危険性や他者への暴力の懸念など、他と隔離すべきとされた者が一時的に収容される部屋のこと。懲罰的に用いられる懸念もあるのではないかと思われます。第二種手錠というのは腰の両側で左右の手首を固定する方式の手錠。以前「革手錠」と称されていた手錠ですが、現在はナイロン製とされています)。

閉居罰(注参照)の延べ回数・人数・期間:145件、最長期間30日(注:閉居罰というのは受刑者に対する懲罰の一種。最長30日のあいだ居室内で謹慎させる)。

休日の面会・電話利用・指定医による診療:1年間における休日面会の申請件数と実施件数はそれぞれ3件と3名。電話利用は昨年1年間で申請件数が246件、実施人数は246名。指定医による診療は、昨年1年間は申請も実施も0件。

外部の病院・医療刑務所への移送:外部の病院へ10名、医療刑務所へ10名。 刑務所内の工場に出入りする際の身体検査:以前は全裸にしての検査であったが、今は行われておらず、パンツを着用しての検査となっています。

提案箱の利用度:年間100件ぐらいの意見が寄せられているが、大半は食べ物・食事に関するものとのこと。他に、工場での労働に対する報奨金(が少なすぎる)に関するものなど。食事以外にも受刑者の処遇についてのいろいろな意見や不満があるのではないかと考えられ、その意味で、提案箱の制度はまだ十分に生かされていないのではないかと思われます。

障がい者・高齢者の出所後の支援を行う地域生活定着センターとの連携:一昨年対象となったのは障害者7名、高齢者8名であり、昨年対象となったのは障害者3名、高齢者8名。

大津・坂本グループ 池田 進

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実施日 2018年9月11日(火)
場所 滋賀刑務所
主催 アムネスティ日本 国内人権ネット

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