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イベント報告【イベント報告】東京拘置所を見学して

東京拘置所東京拘置所

2018年6月29日、アムネスティ日本の死刑廃止チームを中心とした会員が集まり、東京拘置所の見学に猛暑のなか小菅を訪ねました。

拘置所の正門に集合し、まずは一つ目の門を通り東京拘置所のビルを目指します。一番目の入り口から二番目の入り口までの間は、学校のキャンパス、もしくはどこかの団地か、と言った感じです。道なりに行くと、生活している刑務官の住居があったり、古い建物があったりするからでしょうか。緊張しながらも、なぜか少しのどかな雰囲気でした。

二番目の入り口を越えると、ドーンと大きな建物がそびえたっています。ドラマによく出てくる東京拘置所です。外に塀がなければ、大企業のオフィスビルや市役所と勘違いしそうな建物です。

建物に入ると、刑務官から携帯電話など通信機器や危険物を預けるよう指示がありました。そして入館証が一人ずつに配られ、研修室に案内されました。何か説明が始まると思いきや、荷物を置くだけで、まずは所内の参観となりました。化粧室に行くだけでも警備が厳しく、廊下を渡り、化粧室まで50メートルもない道で、刑務官3、4人に「守られつつ」化粧室に行きました。

はじめに、ビルの上部にある職員食堂を見学しました。広々として、まるで会社の食堂のような空間でした。スカイツリーも荒川もきれいに見えます。違和感はありますが、拘置所の職員の心のケアにもなる環境でしょう。食堂には、東京拘置所の模型が置かれていて、刑務官はそれを使って、拘置所中の建物の配置を一通り説明してくれました。

そして単独房に。使用中の部屋もありますが、運動等で不在のため見せてもらうことができました。房ごとに入り口の扉横にボタンがいっぱいあり、「運動」や「作業」などの言葉が各ボタンに表記してあります。出て行く時にどこに行くかボタンが点灯するので、この房の人が今どこで何をしているのかがすぐに分かる仕組みになっています。

部屋は3畳とトイレの1畳分、合計4畳ぐらいの大きさです。布団、小さな本棚、用を足すときに外部に見られないように使うと思われる板、洗面所があります。荷物は黒いキャリーケースに入れておきます。窓はありますが開けられません。自殺防止のためだそうです。

そして共同室も見ることができました。共同室は10畳で、洗面所とトイレの場所をあわせて12畳ぐらいです。定員は8人ですが、現在は定員ぎりぎりではなく、たいてい6人程度が入っているそうです。一人分の本棚のスペースは、幅45センチぐらいでしょうか。見たところ、ほぼすべてぎっしりと本が並んでおり、漫画や小説だけでなく、試験や検定の本などもありました。

居室の見学後、預かった荷物を管理する場所に案内されました。通販会社の倉庫のような荷物運搬システムが整備されており、一人3つの箱に入るまで預けることができます。一つの箱の大きさは、目視で郵便局に売っている段ボールの中でも一番大きいサイズくらいではないでしょうか。入所時、受刑者と刑務官と一緒に、入れるものを一つひとつ確認するそうです。受刑者が何か箱の中のものを取り出してもらいたい時は、その都度申請するという形です。こういうシステムがあるおかげで、職員の作業分担が減り、残業も短縮できるということでした。

次に体育ホールを案内されました。宗教行事やコンサート等の催しのために使用されています。多くの人が集合できる場所で、月数回ほど使用しているそうです。体育ホールの隣に、閲覧室という小さな看板がありました。ここは案内されなかったので、どんな感じなのか少し気になりました。運動場は使われていたため、見学はできませんでした。 一通り案内してもらった後、概要説明を受けるために研修室へ戻りました。大体30分程度で見学は終わりました。

処遇の状況や接見交通権について聞きましたが、期待していたような回答はありませんでした。すべてマニュアル通りに対応していたという印象は拭えなかったです。

個人的に違和感を覚えたのは、参加者の一人が、接見交通権について質問し手紙や面会以外の方法として、外部への電話が可能かどうかを聞いたときの返答です。「なぜ死刑確定者は外部に電話をすることができないのか」という趣旨の質問に対し、「設備上の理由で電話はない」という刑務官の回答に、私は愕然としました。

少なくとも「規則上できない」との返答であるならば、こちらも対応を考えようがあります。単に簡単に返答をしてすませようとしたのでしょうが、物事を論理的に考えたら、こんな答えは出てこないはずではないでしょうか。

面会についても、会えるか会えないかは、とにかく申請がされてから判断する、という頑なな態度でした。面会の自由が全く保障されずに、死刑確定者の心身の健康を保つことができるのか?今回の参観によって自分の中にさらに謎は深まっています。

疑問は残ったものの、当日ご対応くださった関係者の皆さまには深く感謝いたします。ありがとうございました。

死刑廃止ネットワークチーム 李 怡修

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実施日 2018年6月29日(金)
場所 東京拘置所
主催 アムネスティ日本 死刑廃止ネットワークチーム 東京

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