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イベント報告【イベント報告】児童自立支援施設「神戸市立若葉学園」参観報告

2018年9月27日(木)、神戸市が所管する児童自立支援施設「神戸市立若葉学園」を11名で参観しましたので、その内容をアムネスティ日本 国内人権ネットワークの片桐が報告いたします。

県立と市立の違い

政令指定都市が設置している児童自立支援施設は、ここ若葉学園を含めて全国に4カ所(現在堺市が設置準備中でそれを含めると5カ所)しかなく、数少ない市立の児童自立支援施設です。

神戸を内包する兵庫県も、児童自立支援施設「兵庫県立明石学園」を設置しており、参観するまでは「神戸市民の税金で運営しているのだから、神戸市立は神戸出身の子どもを。そして兵庫県立は神戸以外の県内の子ども達を受入れているのでは」と思っていました。

しかし聞いてみたところ、神戸以外からも、兵庫県はもとより他府県からの子ども達も少なからず生活している、とのこと。グループ非行の場合は、メンバーをバラバラに離すため、神戸の子供でも遠い施設に行くこともあれば、同様に他府県の子どもも神戸市立に来ることがよくあるそうです。

施設を比較してみると、兵庫県立の明石学園は緑が茂る中庭があったり、建物と建物の間に鬱蒼とした木々が茂る緑地帯が配置されていたりして、歩いて回ると敷地の広さを体で感じました。

一方、若葉学園はそれよりも若干狭い敷地面積のせいもあってか、各施設がコンパクトに配置されている感があり、諸施設の区画が、良く言えば効率良くビッシリと敷地内に詰め込まれているような印象を受けました。しかし、生活の場となる寮舎は、一軒分の敷地面積も建物の床面積も、数字の上では明石学園とさほど違いはなく、運営主体は違えど、生活空間の平等性は確保されているようです。むしろ寮舎を実際に見ると、ここ若葉学園の方が、庭がより広く感じ、そのせいか寮の周りも見通し良い明るい感じを受けました。

後で地図で確認したのですが、明石学園の寮舎区画は細長い地形の真ん中に細長い建物を配しているので、周囲の地面に空きが少なく見えるのに対して、若葉学園は正方形の敷地の片側に建物を寄せて建てているため、目の前に広く空いた庭が広がっています。このあたりは、狭い敷地をより広く感じられるよう、レイアウトに工夫を凝らしているように感じました。

ただ建物は、よく手入れされているものの、建て替えられた当時の1980年代の趣が随所に見られる古い造りです。今の子ども達にすれば、昭和感が漂う、おじいちゃんおばあちゃんの家に泊まるような感じかもしれません。しかし多くの子どもが1年半程度でここを巣立って行くそうですので、今ほどの便利さは無い、昭和の家で過ごすようなものと考えれば、多少の不便も、ちょうど良い時間の長さと環境なのかもしれません。

寮の運営は、近頃では減少傾向となっている「小舎夫婦制」を今も維持しており、一組の夫婦が神戸市職員として採用され、家族ぐるみで子供達の生活の面倒を見ています。

一軒の寮の中は、子供達の生活区画と、寮担当職員家族のプライベート区画が明確に分けられていますが、私達の案内役となっていただいた寮担当職員の方は、夜でもプライベート区画には入らず、ほぼ24時間、子供達と一緒に暮らしていると言っておられました。

勤務シフトは、週休2日が確保されているようですが、自主的に行なっているとは言え実質24時間勤務の激務です。これは子ども達の親代わりとしての自負がなければできない仕事だと、頭が下がる思いがします。

教育施設としての誇り

義務教育の学齢期の子ども達が暮らす若葉学園には、一般の小中学校と同じような設備を持った教室やグラウンドも備えられています。授業は、近隣の神戸市立小中学校の「分教室」という形で、本校の一部として、本校から派遣された先生が教鞭をとられています。

職員の方の説明の中で、かつて神戸市長が「全ての小中学校の教室にクーラーが設置された」と言った言葉を引き合いに出し、「若葉学園にはまだ設置されていない」と、笑みを浮かべながらもやや憤り気味に語っておられた言葉が印象的でした。その言葉の裏には、「ここも、立派な子供達を育てている、ちゃんとした神戸市立の学校のはずなのに」といった、悔しさがにじみ出ているようでした。

そんな非冷房の教室の後ろ黒板に貼り出された「目指せ○○高校合格」といった一人ひとりの意気込みを見ていると、ここで暮らす子ども達も、普通の教室に通っている子ども達と、何らかわりありません。

本校や他校の生徒の前でも「若葉学園の生徒であることに誇りを持て」と教えている、と聞いて、「ここで暮らし学んだからには、どこへ出ても恥ずかしくない人間として巣立っていくんだ!」といった、愛情と意気込みが伝わってくる思いでした。

参観にご協力いただいた施設の皆さま、丁寧なご対応をありがとうございました。

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実施日 2018年9月27日(木)
場所 神戸市立若葉学園
主催 アムネスティ・インターナショナル日本 国内人権ネットワーク

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