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人権の「今」がわかるニュース

イベント報告【イベント報告】横浜家庭学園・向陽学園を参観しました

2018年12月4日、13名のメンバーが集まり、2つの児童自立支援施設、社会福祉法人横浜家庭学園と横浜市向陽学園を参観しました。2つの園は、民営と横浜市立ですが、常時情報交換しているそうです。

児童自立支援施設は、児童福祉法に基づいて認可や設置がされています。強制ではなく措置入所のため、本人や家族の意思を尊重しながらの入所となります。

横浜家庭学園

先に向かったのは、横浜の住宅街にたたずむ横浜家庭学園。全国に58ある児童自立支援施設のうち、2つだけある民営の施設です(あと1つは北海道)。キリスト教精神に基づく運営で、女子だけの収容です。園長先生たちに説明、案内をしていただきました。

創始者の有馬四郎助による設立は明治期ですが、大正3年にこの地に移転したそうで、その頃からの樹木も残るのか、自然豊かな敷地内の名残りの紅葉を眺めながらの参観でした。

以前より数は減っていて、現在は小6から高校生まで21名が収容されています。子どもたちに安定した環境のもと、安定した健康が保てるように、との方針で運用されています。

入所理由は、以前よりも非行性が減ったものの、家庭の事情や発達障害によるケースが多いとのこと。暴力的な行動をとるという注意があった子も、ここに来てからそういうことがなく過ごせているそうです。

説明の後、教室や寮も見せていただきました。ここでは公教育と作業指導がなされており、いくつもの小教室が本部建物だけでなく礼拝堂の二階なども使って上手く配置されています。立派な音響設備もある映写室など、落ち着いて楽しく勉強できるように工夫されているように感じました。卓球台もあり、交流のため卓球大会があるので猛練習中だとか。教室の様子や展示された作品からも、少人数ゆえの手厚い教育がされていることが伺えました。

横浜家庭学園

卒園後、一人で生きていく上できちんと暮らしていくことができるようにとの配慮から、毎週木曜日には調理実習指導があり、みんな料理の腕を上げていくそうです。普段外出はしませんが、買い物は職員に依頼したり一緒に行ったりとその時の状況によって対応します。

1日3食の食事は、子どもたちと職員が一緒に食堂でとることになっており、副菜がいくつもあるなど、栄養バランスのとれたメニューだそうで、食堂には美味しそうな匂いがしていました。

家族以外の面会は、元の友だち仲間からの悪影響を防ぐために制限されています。夜は、5つの建物に分かれた家族寮に5つの家族として暮らします。職員の住み込み制で、子どもたちと共に生活しています。

専門員、指導員、心理士、事務などの専門の職員に加え、隣接の医院や嘱託の精神科医に相談することもできる環境です。恵まれた住環境と食事に加え、職員に暖かく見守られながら、生活する力を身につけ落ち着いて暮らしている様子が伺えました。

横浜家庭学園参観

向陽学園

次に、車で10分ほど離れた横浜市向陽学園へ。園長先生や分校長先生の方々が丁寧に説明、案内をしてくださいました。

こちらは現在、男子のみ小6から高校生まで22名が収容されており、4つの家族寮に分かれて生活しています。1959年に開設されたこの施設は、広い敷地に学習棟を含む本部建物を囲んで、工夫した間取りの家族寮が点在しています。

寮の1つを見学、寮長さんからもお話を聞くことができました。夫婦で寮を経営されているそうで、自宅も併設されており、お父さんお母さんの役割を担っています。自分の実家庭の子どもたちも入所者に遊んでもらいながら育てていて、卒園して大人になった子どもたちが相談や遊びに訪れたりすることも多いそうです。

寮の中は、ベッドと勉強机がある2~3名用の部屋と広い食堂、風呂、居間、など一軒の大きな家になっています。入浴は、以前はグループで入っていたそうですが、今は個別に入るようになったそうです。

食事は3食を寮で食べていて、当番制で子どもたちも手伝いながらの生活。居間には、マンガや本がたくさん並んでいました。また、校舎や寮には、立派な切り絵の作品が飾られていて、すべて子どもたちの作品と聞いて驚きました。初めは単純なものしかできなくても、次第に慣れて集中してできるようになり、上達していくのだそうです。

学習棟で、近くの小中の分校として運営されている小中学校でも、子どもに合わせた授業が工夫して行われています。お稽古に来てくれるボランティアの茶道の先生がいて、子どもたちも真面目に取り組むそうです。

外出や面会者の制限はあるものの、守られてのびのびと育てられている。会えばきちんと挨拶してきてくれる子どもたちの様子に、そんなことを感じました。

社会問題を集約するようなさまざまなことが原因で、施設で生活する子どもたち。その子どもたちを暖かく見守る職員の方々の努力、そして試行錯誤を学んだ訪問でした。

報告者:阿部理恵子(アムネスティ日本かながわグループ)

向陽学園参観

実施日 2018年12月4日(火)
場所 社会福祉法人横浜家庭学園、横浜市向陽学園
主催 アムネスティ・インターナショナル日本 国内人権ネットワーク

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