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イベント報告【イベント報告】静岡刑務所見学報告

2019年3月6日、静岡市葵区にある静岡刑務所を見学してきました。

静岡刑務所は、JR静岡駅からバスで15分ほどの住宅地に建っています。1967年、現地に移るまでは、市街地にある駿府城址の中にあり、堀で囲まれてはいるものの、塀自体はそれほど高くなく、通学路、散歩コースにあっても威圧感を感じませんでした。当時のイメージがあるので、現在の施設も世間と隔絶されている感じはなく、外観は昭和の学校のようでもありました。

最初に会議室であらかじめ送ってあった質問事項に総務課長・庶務課長が答えるという形で始まりました。

  • 受刑者の定員数は1,125名、今年1月31日現在の入所者は884名
  • 211名の職員が勤務
  • 収容の対象者:①26歳以上の日本人男子受刑者のうち実刑期10年未満で犯罪傾向の進んでいない人②日本人と異なる処遇を必要とする外国人男子受刑者③未決拘禁者
  • 執行刑期:2年未満が17%、3年未満が25%、4年未満が19%、5年未満が19%
  • 主罪名:窃盗20%、覚せい剤16%、詐欺14%、強盗10%、殺人5%、強姦9%、障害等6%
  • 高齢の受刑者:65歳以上89名、79歳以上54名、75歳以上20名、最高齢が84歳
  • 高齢者は立ち仕事ができず、畳の作業室がある
  • 刑務所の収容目的は懲罰から改善指導に主眼を置くようになっていて、職業訓練ではフォークリフト運転科、ビル設備管理科、ビジネススキル(パソコン)などの訓練を実施している。但し、免許を持っていて就職先があっても、社会が受け入れるかどうかは厳しい状況

質疑応答が終わって施設内の見学に移りました。最初に木工の作業所に入りました。色とりどりの帽子をかぶり、宅配便の制服のような姿の受刑者が働いています。帽子の色は持ち場によって決められているそうです。止められない機械についている人は作業を続行しているのですが、それ以外の人は壁に向かって立たされ、見学者と顔が合わないようにされているので、申し訳ないような気がしました。天井からは目標額1,210千円という看板が下がっており、作業を妨げないよう、つい、足早になりました。

あいにくの雨で運動場を通って回るはずだった印刷工場に着くのが遅れ、休憩の時間になってしまい、中には入れませんでした。休憩や作業一段落ごとに整列点呼が実施されるとの事で改めて管理されているのだと感じました。窓越しに整列の様子と番号を唱える声が聞こえてきました。

次に生活房を回りました。年中無休の炊事担当は交替で休みを取るため、この時間在室している受刑者もいると聞かされてはいたのですが、中をのぞき込んでいたらすぐそばに受刑者が座っていて慌てて離れたりしました。

各房の入り口には注意事項が貼ってあり、手袋使用許可、耳袋使用許可という札もありました。○○新聞と書いてあるのはお金さえ出せば購読できるとの事。青いバケツが置いてあって、おむつの交換は本人がすると書いてあったのには驚きました。後で聞いたらおむつは官費で支給されるとの事。もちろん自費で気に入ったものを買うこともできるそうです。

各房のトイレは和式で上置きの器具をつけて洋式にしている。築50年のまま使用している部分も多いようです。

次に、最上階の仮釈放、満期出所間近の受刑者が生活する解放房を見学しました。案内の人が施錠されていない扉を開けてみせてくれ、内側にもノブがあるのが見えました。一般の房の扉は内側から開ける必要が無いのでノブは外にしかないのです、という説明に一同納得でした。

社会復帰の準備ということで、トイレも房を出て廊下の共同トイレを使うそうです。雑居房でも目隠しの無いトイレは異常だという感覚が戻るのでしょうか。

刑期が短く、外に出られる希望が持ちやすいので、一生懸命努力する受刑者が多いそうです。社会常識を身に付けるための「社会人基礎力検定」も実施しているそうです。 犯罪傾向の進んでいない人(初犯含む)、刑期が短いというのも一因かもしれませんが、2年前に見学した超近代的な札幌刑務所と比べると、所内が明るく感じられました。地元のひいき目かもしれません。穏やかな雰囲気の中で更生して社会復帰を果たしてもらいたいものです。

一緒に参加した受刑者支援活動をしている人から、外国の刑務所では土日に面会が許されているが、日本では一日居室で運動さえ制限されると聞きました。家族の受け入れが少ないのは面会が制限されているのも一因かもしれません。とはいえ、高齢者は家族との関係が断ち切れている人も多いそうです。外国では宗教団体の受け入れ態勢がしっかりしていて出所時迎えに来てくれるとか。日本では社会福祉士が相談に乗り、満期出所でも保護観察所に照会するなどしていますが、高齢者の中には誰かの世話になるというのを嫌がる人も多いそうです。

今回の参観でご対応くださった皆さま、塀の中に目を届かせるのが重要と全国の施設めぐりを企画してくださっている主催者の皆さま、ありがとうございました。

執筆者:鈴木律子(アムネスティ日本 富士山グループ) 

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実施日 2019年3月6日(水)
場所 静岡刑務所
主催 アムネスティ・インターナショナル日本 国内人権ネットワーク

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