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イベント報告【イベント報告】和泉乳児院参観報告

2019年4月23日、和泉乳児院を7名で見学しました。和泉乳児院(大阪府泉大津市助松町3丁目)は、北助松駅(南海電鉄)から徒歩10分ほどの場所にあります。乳児院から北西方向には阪神高速湾岸線が走り、その先には大阪湾を望みます。

まず、4階にあるみらいホールにて、和泉乳児院長、和泉幼児院長から全体説明を頂きました。

乳児院・幼児院(児童養護施設)には、保護者のない子、被虐待児など家庭環境上養護を必要とする子などが児童相談所を通してやってきます。こうした施設の担い手は、一般に宗教団体や、地元の有力者であることが多いといいます。これに対して、和泉乳児院は、周辺自治体の民生・児童委員の発意により創設されました。いわゆる「オーナー施設」ではないというこの特徴は、職員同士の自由で闊達な議論ができるという環境、ひいては施設でのより良い養育体制の構築に、活かされているようです。

乳児院に幼児院が合築されて、乳児院と幼児院の間で強い連携がなされているのも和泉乳児院の特徴です。たとえば、幼児院から学校に通う子に向けて、乳児院のころ関わった職員が「いってらっしゃい」と声をかけることができます。子どもたち自身の、この施設で成長したという実感につながるといいます。乳児院長によると、現在はまだ実現されていませんが、特定の子どもたちの1歳から6歳の期間を、試験的に同じ職員が担当することも計画されているとのことです。

和泉乳児院では「里帰り会」という催しが毎年開かれています。これは、乳児院で育ち退所した子どもたちに集まってもらい、さらに担当した職員(元職員)も招き、在所当時のエピソードを話し伝えるなどして、その子の幼少期を振り返るものです。アイデンティティ形成に役立つとされながら、他の施設ではさかんではない取り組みとのことです。

その他にも、良質な里親を増やすための支援について、平成30年度に大幅に増加したという児童相談所の一時保護機能としての緊急ケースの様子について、入所される乳児の愛着形成について、職員の募集状況について等、詳しく教えていただきました。

続いて、ホールを出て、乳児院と幼児院、そして分園をそれぞれ見学しました。

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4階建てで、都会的でお洒落な外観の園舎は、平成24年に新しく建て替えられたものです。園舎の内部についても、設計や設備について、当時の職員が施工主へさかんに注文を出し、これが反映され、子どもたちのための理想的な環境が実現されています。各フロアホールに設けられたステンドグラスや絵画の数々は、非常に美しく、賑やかです。

乳児のユニットは、職員がフロアを一望でき、子どもの異変をすぐ感知できるよう、透明な窓、仕切りが採用されていました。小学生以上の学童のユニットは、低学年では2人に1部屋、高学年になるにつれて1人に1部屋が与えられ、プライバシー空間が確保されています。居室は一般のマンションの居住空間のようで、明るくのびのびとした生活感に溢れています。床暖房も完備されています。

遊びを通して子どもたちに自分の気持ちを表現してもらう「プレイセラピー」を行う部屋、モンテッソーリ教育を行う「アイアイルーム」など、特別の目的で用いられる設備も興味深く見学しました。園庭では多くの子どもたちが我々見学者に元気よく話しかけてくれました。

最後に、ホールに戻り、質疑応答の時間をとっていただきました。事前に送付した質問票に沿って進みながら、随時の質問にも大変丁寧に回答いただきました。

乳児院を見学するのは初めてで、大変貴重な体験となりました。乳児院に紐づけられがちである、集団管理生活の暗いイメージからは解き放たれ、現場職員の尽力によって、家庭的で個を尊重する保育養育が実現されているという印象を受けました。

参観当日は乳児院長、幼児院長はじめ、職員の皆さまより、お忙しい中ご協力いただきましたこと、深く感謝申し上げます。

増井俊輔(国内人権ネットワーク)

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実施日 4月23日(火)
場所 和泉乳児院
主催 アムネスティ・インターナショナル日本 国内人権ネットワーク

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