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イベント報告【イベント報告】「松山刑務所大井造船作業場」参観報告

2019年12月4日(水)、愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場(通称: 大井造船作業場。以下「作業場」)の参観を行いました。今回は4名で参観をさせていただきました。

本作業場は、松山刑務所の開放的処遇施設で、民間の造船所である「新来島どっく大西工場」(愛媛県今治市大西町新町甲)の工場内に所在する、日本に4カ所ある'塀のない刑務所'の一つです。 同工場の敷地面積は478,000平方メートル、東京ドーム約10個分という広さで、12月4日現在の収容者数は、16名です。

大井造船作業場というと、みなさん記憶に新しいのではないでしょうか?

そう、2018年4月8日に男性受刑者が脱走する事件が発生し、各マスコミでも日々大きく取り上げられたあの刑務所です。同受刑者は脱走から22日後の4月30日に通報を受け逮捕されました。同人は、寮内での人間関係が原因で逃走したとのことです。

本件事件の発生後、委員会からの「開放的施設における処遇及び保安警備等に関する検討結果報告」を受け、どのような対策がなされたのかについては、後程述べたいと思います。

参観の冒頭は、刑務官である"寮長"からパワーポイントを用いて説明がありました。

本作業場ができた経緯は、来島ドックの坪内寿夫社長が、工場を新設する際、松山刑務所の構外の泊まりこみ作業場として開設したことが始まりだそうです。

作業場に収容されている者は、従来の刑務所等では被収容者と言われていますが、ここでは「作業員」と呼ばれています。また作業員は番号ではなく、個人名で呼ばれます。 ここは刑務所ではありますが、開放的処遇施設であり、あくまで民間企業の工場で働く「作業員」であり、できるだけ一般社会に近づけた処遇をおこない、社会への適応能力を育成することにあります。

本作業場に収容される条件としては、開放的施設選定要件に+大井造船作業場要員選定基準として、①重労働・危険作業に耐えられる身体健全な者、②性格に偏りがなく、開放的処遇の共同生活が可能と見込まれる者、③移送された時点において、相当の刑期が残っている者(6カ月~2年)、④暴力団等の反社会性集団に所属していない者、⑤保護関係の調整の見込みがある者など、これらの条件を満たした者が対象となります。

施設に関する概要説明をしていただき、次は施設内を見学しました。施設内見学は、作業員達が生活する「友愛寮」と「工場」を見学しました。

友愛寮は、被収容者が過ごす「寮」であり、鉄筋コンクリートの5階建てになっています。最初に作業員の居室に案内されました。ワンフロアのみで12室、2段ベッドが二台設置されていましたが、現在は1室に二名が収容されています。部屋にはトイレやテレビはありませんが、トイレは同階に自由に行くことができ、テレビも別階で見られます(テレビについては後々設置の予定)。風呂は別の刑務所とは異なり汚れるような作業のため、基本毎日入ることができます。一回あたりの入浴時間については他と変わりません。友愛寮の別階には、ここで働く職員達も寝泊まりしています。

造船工場は広大で、機械音が鳴り響いていました。他の刑務所では刑務官が作業指導することが主だと思いますが、ここでは工場で働く方々が直接指導しており、刑務官は近くで見ているだけというものとても印象的でした。

本作業場における逃走事案は開所以降、17件20名です。

最後の質疑応答の際に、「過去にも逃走案件があって、何故今回の案件を受けてでないと改善されなかったのか。」質問しました。

今回の事件を受け、部屋の中央にはカーテンが設置され、夜間にはカーテンを閉めプライバシー環境を整える、窓はストッパーがされ人が通り抜けられないように講じる、その上で防犯フィルムを貼り、割られないように対策を施したと施設見学で説明を受けました。その他にも、もし窓が割られたとしても外には赤外線センサーが取り付けられており、反応すると刑務官が持っているスマホに一斉に通知がいくなど、いくつかあるそうです。

しかし、前述については簡単なもので、もう少し早いタイミングでできていたのではないかという疑問を持ちました。

終わりに。
私事ですが、学生時代には矯正について学び、各種矯正施設にも十数箇所参観、そして大阪の某少年院において3日間のインターンシップにも参加してきましたが、このような開放施設の見学は初めての経験であり、とても新鮮で良い機会を与えていただきました。

今回はお忙しい中、参観を受け入れていただいた松山刑務所大井造船作業場の皆さまをはじめ、関係各所の皆さまに感謝致します。ありがとうございました。

報告者:三島和己(アムネスティ国内人権ネット)

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実施日 2019年12月4日(水)
場所 松山刑務所大井造船作業場
主催 アムネスティ日本 国内人権ネット

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