2019年10月10日に実施された八街少年院参観につき、下記のとおりご報告いたします。

概要

八街少年院は千葉県八街市内に所在する、法務省が管轄する少年矯正施設です。入院の対象となるのは概ね関東圏内の家庭裁判所において「第一種少年院送致」が決定された20歳未満の男子です。なお、同院に送致される少年は、過去にすでに少年院に入院した経歴のある少年が多い傾向にあるようでした。

八街少年院は昭和24年に設立され現在に至っており、平成8年に施設の全面改装が行われています。なお、同院は1.5㎢という広大な敷地面積を有しています。入院定員は150名であり、参観時は63名が入院していました。職員数は約20名(年によって若干変動)とのことでした。

処遇は自己統制力の向上、健全な価値観涵養、堅実な生活習慣習得という目標を中核として行われ、加えて退院後の就労のために農業、土木等に有用な技能および資格の取得指導も実施されています。スポーツ指導も盛んであり、八街少年院では特に剣道が手厚く指導されているようでした。

また、同院では「GMaC(Give me a Chance)」と呼ばれる、動物介在活動プログラムが行われているのも特徴です。同プログラムは外部団体の協力を得ながら、保護された捨て犬を福祉分野等で活躍できるように訓練するというものです。入院する少年たちは概して過酷な成育環境で育った者が多く、自尊感情に乏しいきらいがあることに鑑み、プログラム過程における訓練犬との濃密な交流を通じてそれを改善し、肯定的な思考および態度を涵養させることを目的です。少年院にて選抜された少年たちが、このプログラムを履修するとのことでした。

以上に加えて、被害者理解のための特別なグループワークもやはり外部民間団体の支援によりつつ実施されているとの説明がありました。

退院後のフォローアップについては、入院中から就労についてハローワークと支援会議を行うほか、退院した少年たちからの電話等での相談も随時受け付けられているそうでした。

なお、入院している少年たちの一日のリズムは、7時に起床、9時から16時過ぎにかけて指導プログラム受講、夕方は自習や余暇活動を行い、21時に就寝というものでした。食事は7時半、12時、16時30分に提供されています。夕食の時刻がやや早いように感じられました。

参観時の様子

施設内は少年たちが現に生活する区域を除き、ひと通り案内していただけました。概要にも述べたように施設面積は広大であり、グラウンドは野球等の球技を行うのにも申し分ない広さでした。プールや体育館も一般的な学校のものと同様のものが設けられています。なお、参観時にはグラウンドとは別途設けられた園庭にて少年たちがランニングを行っており、参観者に向けて元気よく挨拶をしてくれました。他方、体育館では剣道の練習も行われており、10人ほどの少年たちが防具を付けて法務教官の指導を受けつつ、活発な発声を響かせていました。

少年たちの寝起きする生活空間については、現在使われていない空室を見学することができました。間取りは入口から見ておおよそ幅3メートル、奥行き5メートルほどであり、両側にベッドが2台縦に平置きされていました。突き当りの壁面には広めの窓が配置され、採光は良さそうな印象でしたが、床がタイル張りになっていた点がやや殺風景に思われました。室内奥の一角にはトイレが設けられていました。浴室は居室外に別途設けられ、4~5名が同時に利用できる広い浴槽と複数のシャワーが備えられていました。イメージとしてはミニ銭湯のような雰囲気です。

以上の生活空間のほか、木工や溶接等、少年たちの職業訓練指導に使用される設備も案内していただけました。木工指導用の設備は概して学校の技術科の授業に使われる教室と似た雰囲気です。なお、これらの場で製作されたものは矯正展等に出品・販売されることもあるとのことでした。

以上、参観のご報告をいたします。
当日、ご対応くださった職員の皆さまに深く感謝申し上げます。

実施日 2019年10月10日(木)
場所 八街少年院
主催 アムネスティ日本 国内人権ネットワーク