English

  1. ホーム
  2. 人権について学ぶ
  3. 世界の人権問題(トピック)
  4. 国際人権法
  5. 自由権規約委員会による日本審査:日本の死刑

国際人権法 - 自由権規約委員会による日本審査:日本の死刑

日本は死刑制度を存置し、積極的に死刑執行を進める国の一つです。自由権規約委員会は、死刑制度を廃止する国際的な潮流から逆行する日本の姿勢について、厳しい勧告を出しました。さらに一年以内に、勧告の実施状況について情報提供することを求めました。

自由権規約委員会は、以下のことを求めています。

  • 自由権規約の主旨に沿って死刑制度の廃止を検討するか、死刑の対象となる犯罪を最も重大な犯罪にのみ制限すること
  • 弁護士が検察官の収集した証拠に自由にアクセスできるように保障すること
  • 死刑判決をきちんと再審査できる制度を作ること
  • 死刑執行の期日を事前に本人に知らせること
  • 例外的な場合を除き24時間一人部屋への収容ことをやめること
  • 死刑確定者の精神状態の把握のための仕組みを新たに作ること

国際的な状況

世界では、最後の死刑執行から10年以上執行していない事実上の廃止国を含めて、70%以上の国・地域が死刑を廃止しています。生きている人間の命を奪うという刑罰は、非人道的であり、一度執行してしまうと、間違いがあとで発覚しても二度と取り返しがつきません。国際的には、犯罪への対応として、死刑に頼らない政策が積極的に採用される傾向が年々強まっています。とりわけ先進国では、死刑廃止の潮流は揺るぎないものとなっています。

死刑の適用制限

自由権規約には、死刑の適用を「最も重大な犯罪」に制限するよう求める条文(規約第6条2項)と、さらに死刑制度の廃止を求める第二選択議定書(死刑廃止条約)があります。

日本は自由権規約を批准していますが、第二選択議定書は批准していません。日本は「最も重大な犯罪」に死刑の適用を制限する義務を負っていることになります。日本の法律では、実際に死刑が適用される犯罪は、被害者が亡くなるケースにのみ絞られているので、条文に違反しないとの主張があります。しかし、それでは一般的な刑法犯罪にも広く適用されることになるため、その中でも「最も重大」であると考えられる犯罪にのみより厳しく死刑の適用の制限が求められました。

死刑執行の通知時期

日本では、裁判所で死刑判決が確定したのちに、法務大臣の命令によって死刑が執行されます。執行命令がいつ出されるか、死刑確定者本人やその家族は知らされません。執行当日の朝に本人に突然知らされます。そして家族へは、執行後に知らされます。この制度の運用に対して、自由権規約委員会は、事前に本人と家族に通知するように勧告しました。

死刑確定者の処遇

日本の拘置所では、死刑確定者は一般の受刑者と異なり、24時間一人部屋に収容されています。食事も運動も作業もすべて一人で行い、他の死刑確定者や受刑者と接触する機会はありません。社会にいる人との手紙のやり取りや、面会の機会には厳しい制限が課されています。このような処遇は、強いストレスから精神疾患の原因となるなど、国際法で禁止されている「残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取り扱い若しくは刑罰」(規約第7条)に当たる可能性があります。そのため、自由権規約委員会は一人部屋への収容は例外的な場合に厳格に制限された期間にのみするよう勧告しました。

証拠へのアクセス

現在の日本の刑事司法のルールでは、死刑確定者の弁護士は、検察官が集めた証拠を自由に検討することができません。検察官が集めた証拠の中に死刑確定者にとって有利な証拠があったとしても、その証拠が弁護士に開示されません。そのため、自由権規約委員会は、弁護士が検察官の収集した証拠に自由にアクセスできるように保障することを勧告しました。

死刑判決の再審査

現在の制度では、刑事裁判を受ける被告人が、最初に受けた死刑判決について、上級の裁判所に上訴しなければ、そのまま死刑判決が確定します。死刑という最も厳しい刑罰の適用の是非について、再審査を受けることなく執行されてしまう可能性があります。そのため、死刑事件については、本人の意思とは関係なく、死刑判決に間違いがなかったのか、自由権規約委員会は、再審査を受ける制度に改めるように勧告しました。

弁護士との面会

また、裁判のやり直しを求める再審請求のための弁護士との面会についても、刑事施設の職員が立ち会うことなく、死刑確定者が弁護士に相談・打ち合わせができるように保障することを自由権規約委員会は求めました。

死刑確定者の精神状態の把握

刑事訴訟法では、死刑確定者が「心神喪失」の状態にあるときは執行を停止しなければならないと定められています。しかし、現在の死刑執行の運用では、死刑執行に際して死刑確定者が「心神喪失」の状態にあるか否かを判断するプロセスがはっきりとしていません。そのため、自由権規約委員会は、死刑確定者の精神状態を把握するための独立した仕組みの構築を求めました。

アムネスティの見解

アムネスティは、あらゆる死刑に例外なく反対します。死刑は生きる権利の侵害であり、残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰であると考えます。日本政府は、国際人権諸条約の締約国として、死刑にたよらない刑事司法制度を構築する国際的な義務を負っています。

アムネスティは、日本政府に対し、死刑廃止への第一歩として公式に死刑の執行停止措置を導入し、全社会的な議論を速やかに開始することを要請しています。

 

関連アクション

関連ニュース

このページをご覧になった方へのお勧め

前へ

次へ