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地域紛争 - 兵役を拒否する若者たち(イスラエル)
モリエル・ロスマンさん
2012年10月24日、23歳のモリエル・ロスマンさんは、パレスチナ占領政策に反対し、イスラエル軍の兵役を拒否しました。そのためにロスマンさんは、10日間の禁固刑を言い渡されました。
報道で取り上げられることはほとんどありませんが、実はイスラエルには、ロスマンさんのように、パレスチナに対する自国の政策と人権侵害に反対し、兵役を拒否する若者たちがいるのです。
アムネスティ・インターナショナルは、こうした良心的な兵役拒否者を直ちに釈放するとともに、非軍事の代替役務を整えるよう訴えています。
シル・レゲフさんの決意
シル・レゲフさん
2010年7月14日、20歳の青年シル・レゲフさんは兵役につくことを拒否したために、34日間の禁固刑を言い渡されました。3度目の兵役拒否による投獄でした。
刑務所に入る前に、レゲフさんはこう宣言しました。
「『イスラエルの秩序』を維持し、市民権を奪われたパレスチナ人にその秩序を科すために、占領地の警察官として仕えること。これがイスラエル軍のおもな目的です。
このような軍を拒否し、離脱することは、私が個人として負うべき責任なのだと信じています。
そもそも、『イスラエルの秩序』とは何なのでしょうか? それは、42年以上続いている、パレスチナ人を軍事的に支配する体制であり、パレスチナ住民が自由に土地を持ち、水を使い、農作物を収穫し、鉱物を採取することを許さないことなのです。
さらに言えば、移動の自由のはく奪や、大量殺害などの身体的な危害など、より基本的なパレスチナ人の人権に対する侵害もあります。これらの行為は、戦争犯罪であり、国際法に違反するものです。
私が軍に入れば、間違いなくこの『マフィア的』な制度に組み入れられることになるでしょう。これは、本来は『防衛軍』であるはずのイスラエル軍の役割とは、何ら関係ないものです。
それゆえ、そのような兵役につくことと、自分の良心に従うことの二者択一の中で、私の決意が揺ぐことはありません。
社会の構成員である私たちが、他者に対して作り出しているこの恐ろしい現実。それに、自らが巻き込まれているモラルの低下に気がついていない、若いイスラエル人の心に負わせている傷。
これらの存在を、今は認めようとしていない人びとが、私の決意を評価してくれる日が、いつかきっと来ることでしょう。」
良心的兵役拒否とは?
良心的兵役拒否とは、自らの良心または信念のために、軍における兵役や、その他の戦争や武力紛争への参加を拒否することです。
良心を根拠に兵役を拒否する権利は、市民的および政治的権利に関する国際規約(自由権規約)に定められているように、思想、良心および宗教の自由に本来備わっているものと考えられています。そのため現在では、良心や宗教に基づいて兵役を拒否する者に対し、代替役務につくことを認める国が増えてきています。
イスラエルでは、一部の特例を除き、ほぼすべての市民と永住権を持つ男女は18歳で徴兵されます。男性は3年、女性は21~22カ月間、軍隊に入らなければなりません。平和主義に基づく兵役拒否はイスラエルの法律で認められているものの、そのほとんどが軍判事で構成される良心委員会で却下されます。
また、軍がアラブの土地を占領しているとか、占領下において軍による人権侵害があったことを理由に、兵役を拒否しても良心的兵役拒否とは見なされず、非軍事代替役務は用意されていません。そのため、兵役を拒否した人びとは、大抵は1~4週間の禁固刑を言い渡されて軍刑務所に送られることになります。
イスラエルの若者たちの願い
18歳の少女ダイアン・コーガンさんは2010年6月、2度目の禁固刑を言い渡され、25日間を軍刑務所で過ごしました。コーガンさんは、「軍事体制は、平和をもたらす助けにはならない。私はそう確信しています」と、刑務所に入る前に語っています。
19歳の少女オル・ヴァン・ダビドさんは2009年10月に兵役拒否で刑務所に送られましたが、その決意を示す宣言文の中で、このように書いています。
「希望を失ったすべてのパレスチナ人の若者に、彼らのことを考え、違う選択をするイスラエル人がいるということをわかってほしいのです」
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