地域紛争 - ガザ地区封鎖の被害者たち

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治療を受けられない人たち

topic_gaza02.jpg聴覚障害を持つ子どもたち。境界封鎖によって充分な治療を受けられないでいる。(C)Atfaluna Society for Deaf Children

パレスチナのガザ地区には、重い心臓疾患に苦しんでいる子どもたちがいます。 外科手術を必要としていますが、ガザ地区に必要な医療設備も専門医師もいないため治療を受けられません。子どもたちは、2008年10月4日から東エルサ レムにあるマッカーシド病院で英国の心臓専門チームによる手術を受ける予定になっていましたが、イスラエル当局が母親や祖母の付添いを許可しなかったた め、ガザ地区を出ることができませんでした。ソヘブ・ワエル・アルカサス(5歳)は、家族の付き添い許可がおりないため、ここ数カ月の間に6度も手術の予 定を逸しています。

医療設備や専門医師の不足から、重病患者がガザ地区で充実した医療を受けられないことがよくあります。イスラエルはしばしば、「治安」を理由に、重症患者 が治療のためにガザ地区から出ることを許可しません。当局は患者が「治安上の脅威」と主張しますが、その証拠や情報を示したことはありません。

ガザ・西岸地区のパレスチナ人が、イスラエル国民と同等の治療を受けることができるように保障することは、占領しているイスラエル政府の国際法上の義務です。治療の妨害は、国際人道法で禁止されている集団的懲罰といえます。

カリマ・アブ・ダラル(Karima Abu Dalal)の場合

2008年10月現在、リンパ腫の病気であるホジキン病を患うカリマ・アブ・ダラルの容態は急激に悪化し、現在はガザのシファ病院に入院しています。通 常、ホジキン病患者の9割は治療で回復するといわれていますが、治療を受けられないため、彼女は末期の症状です。カリマが治療のためガザから出る申請を提 出したのは2007年11月。その申請が棄却された知らせを受け取ったのは、それから数カ月が経ってからのことでした。当時、がん治療の専門家はイスラエ ルの人権団体にあてた報告書の中でこう書いています。

この若い女性は、治療を受けられないために死につつある。治療さえ受けられれば、彼女が回復するチャンスは十分にあるのに・・・

モハメッド・アブ・アムロ(Mohammed Abu Amro)の場合

モハメッドは大腸ガンを患い、2008年10月に亡くなりました。モハメッドは、イスラエルのイキロフ病院で化学療法を受けるため、8月26日にガザを出 る許可を申請しました。しかし、イスラエル当局は「治安上の理由」として許可しませんでした。 当局は、モハメッドが死亡してから許可を出しました。

「学びたい!」 留学を妨害されるパレスチナ人学生たち

topic_gaza03.jpg エジプトに向けて出発するバスに殺到するパレスチナ人(C)KHALIL HAMRA/AP/PA Photos

2008年8月14日、約400人のパレスチナの学生たちが、ガザを出る許可を得られないという事態が起きました。学生たちは法律、科学、ビジネス、医学 などを勉強しており、少なくともそのうち37人はヨーロッパと北米の大学で学籍と奨学金を得ており、他の数百名は中東や他の地域の国々の大学に入る予定で した。

ガザ地区では、学術研究で大学院レベルの教育を受けることが困難です。ガザの大学が先進的な研究のための資源が不十分であることや、イスラエルが必要な設備や物資の輸入を制限しているためです。

その後、約20名の学生たちがガザからエレツ検問所を経由してイスラエルに行くことを許可されました。しかし、圧倒的多数は依然としてガザに閉じ込められたままです。