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取調べの可視化 - 可視化をめぐる近年の動き

最後に、取調べの可視化をめぐる近年の動向について、重要なポイントを中心に解説します。

国際的にも批判されていた、日本の取調べ

日本の捜査機関による取調べは、実は長年にわたって国際的にも批判されています。国連規約委員会や国連拷問禁止委員会は日本政府に対し、取調べの録音・録画を導入するよう、繰り返し勧告しています。

民主党は2009年の政権マニフェストで、取調べの可視化の導入をかかげていました。しかし2010年には、その項目が削除されました。また、2009年、「取調べの可視化法案」(刑事訴訟法改正案)が衆議院において、審議未了で廃案となっています。

これは、政府が取調べの可視化に対し、消極的であることの表れと言えるでしょう。

ようやく始まった、法務省の勉強会

次々と明らかになる冤罪事件による社会的な批判を受け、法務省や警察庁などの捜査機関において、可視化の必要性がようやく検討され始めました。

法務省は2009年10月、取調べの可視化について検討するための勉強会とワーキンググループを設置しました。

同勉強会は、2011年8月に公表した取りまとめのなかで、取調べの可視化が冤罪の防止に役立つことを認め、広範囲の事件を録画するべきだとしたものの、「全事件の全過程の録画は、現実的でない」と結論づけています。録画にかかる経済的なコストが大きいだけでなく、警察や検察がこれまでの捜査手法をとり続けることが難しくなるとの理由です。また、取調べの部分的な録画でも一定の効果をあげることができると主張しています。

この取りまとめの中で法務省は、検察の取調べの録音・録画を試行的に拡大することを決めています。

可視化について議論する法制審議会

2010年、「厚生労働省元局長事件」を受けて設置された「検察の在り方検討会議」は、2011年3月31日に提言書を公表しました。提言書は、取調べの可視化の制度化を含む、新たな刑事司法制度を構築するための検討を開始するよう、求めています。

江田五月法務大臣(当時)は、この提言を受け、2011年6月に法制審議会で「新時代の刑事司法制度特別部会」を設置しました。

法制審議会は、省内勉強会の取りまとめ結果や、現在検察や警察で試行的に導入されている、取調べの部分録画・録音に関する検証結果を踏まえながら検討を進めています。

「一部録画」を主張し続ける捜査機関

検察や警察など捜査機関には、全過程の録音・録画ではなく、一部の事件における取調べの部分的な録音・録画を主張する声が根強くあります。

しかし、NGOや日本弁護士連合会は、取調べの全過程の録音・録画を基本とした法律の整備を求めています。

また、調書が完成した後の「読み聞かせ」の段階以降の記録など、一部の録音・録画では、可視化が実現されず、冤罪をいっそう生み出す危険があると、NGOは問題視しています。

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