日本の現状

一人ひとり、置かれている状況は異なりますが、日本でも、LGBTの人たちはさまざまな困難に直面しています。学校や職場、病院、福祉施設、被災地で差別的な言動を受けたり、制度不備や担当者の偏見に対する不安から民間や公共サービスを受けることができずにいる人。家族や友人、身近な人に理解されず、社会から孤立し、自傷行為に追いやられる人も決して少なくありません。

2019年5月29日、企業にパワハラへの対策を法的にはじめて義務付けた、パワハラ関連法(労働施策総合推進法の改正案)が可決されました。この法律の国会付帯決議では、パワハラに関連して、性的指向や性自認を理由とした差別もなくすよう、企業に求めています。

例えば、「ホモっぽくて気持ち悪い」といった差別的な言動や嘲笑、いじめや暴力などのハラスメントを企業は予防しなければなりません。また、「〇〇さんってレズビアンなんだよ」というように、本人の性的指向や性自認を、本人の同意なしに第三者に暴露してしまう「アウティング」も、同様に予防しなければなりません。これは、職場での差別をなくしていくための大きな一歩です。

しかし、依然として日本には、性的指向や性自認を理由とした差別を禁止し、LGBTの人たちをあらゆる差別から守る法律がありません。こうした状況を改善する法律をつくるため、2016年から超党派による議員連盟が活動していますが、法案はいまだ調整中にとどまっています。オリンピック・パラリンピック開催国として、この問題に取り組むことは急務です。

自治体の動き

一方で彼らを支援しようとする前向きな動きが自治体レベルで広がっています。条例や行動計画に性的指向、性自認による差別禁止を盛り込む、同性カップルのパートナーシップを認めるなど、国に先行してこの問題に取り組む市区町村が増えてきています。住民が結集し、声を上げ続けたことが、こうした動きをもたらしています。

条例/要領でパートナーシップ制度が認められている自治体がある都道府県

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報告書:日本におけるLGBTの人びとへの差別

アムネスティ日本は、「無差別」「雇用」「健康」「家族生活の尊重の権利」「拘禁施設における差別」「自然災害などの緊急時における差別」の6つの側面から、LGBTの人びとが学校や職場など身近なところで日常的に人権侵害を受け、不利益を被っている日本の事例を取り上げ、報告書「日本におけるLGBTの人びとへの差別~人権保障の観点から~」(2017.05.02)にまとめました。

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全国で活動する団体

S-PEC(えすぺっく)

栃木:S-PEC(えすぺっく)

性的マイノリティの当事者はもちろん、家族が抱える悩みや問題は様々です。それらを共有し、ともに支えあえる団体として、また、より多くの方々に性的マイノリティへの理解を深めていただくと同時に、誰もが生きやすい社会になることを願って活動しております。詳細はこちら >

レインボーさいたまの会

埼玉:レインボーさいたまの会

性の在り方にとらわれず、埼玉県内の誰もが認め合う社会を実現させるために取組みを行っている任意団体です。埼玉県在住あるいは埼玉県にゆかりのある、様々な個性やセクシュアリティを持つメンバーで、交流会や講演会、「パートナーシップ制度」の導入を県内自治体に求めています。詳細はこちら >

CoPrism(こぷりずむ)

山梨:CoPrism(こぷりずむ)

交流会・勉強会の企画・運営、支援ツールの作成、情報発信、講演などを行なっています。詳細はこちら >

Tsunagary Cafe(つながりカフェ)

大阪:Tsunagary Cafe(つながりカフェ)

Tsunagary Cafe(つながりカフェ)は、自分らしく人生を楽しむ人のためのLGBTQフレンドリーなコミュニティです。大阪や京都、オンライン(Zoom)で、フリートークをメインとした仲間づくりのイベント(交流会)を開催しています。イベント参加者向けのオンラインコミュニティも運営しています。詳細はこちら >