PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA: 中国当局はチベット人抗議者たちに自制をもって対応を

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18 Mar 2008
[Japan Section]
Region: PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
Topic: Indigenous people Minority group
アムネスティ・インターナショナル日本(理事長・搆美佳)は本日付で、中国当局のチベット人抗議者への弾圧に抗議する書簡を、駐日中国大使館の孔鉉佑臨時大使代理宛に送付しました。
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中華人民共和国大使館
臨時大使代理
孔 鉉佑 殿

中国当局はチベット人抗議者たちに自制をもって対応を

私たちアムネスティ・インターナショナル日本は、世界中の220万人以上にのぼるアムネスティの会員・支援者とともに、チベット自治区と隣接するチベット人居住地域における人権状況について深く憂慮し、自制をもってこれに対応することを貴国に要請します。

非暴力の抗議行動に参加した人びとへの中国当局による厳しい弾圧は、チベットの首都ラサで3月10日に行われた400人にものぼる僧侶のデモに始まり、現在も拡大が懸念されています。抗議行動の発端は、ダライ・ラマの非難を紙に書かせることを強制するなどの政治的プロパガンダ・キャンペーンを緩和するよう要求する僧侶たちのデモ行進で、平和的な方法による訴えでした。 これにより50人以上の僧侶が路上で拘束されました。後日、捕らわれた僧侶たちの釈放を求めて集まった群集に向けて警察と軍は催涙ガスを発砲、電気棒などを使用して抗議行動参加者を殴打し、群集を解散させるために実弾を発射しました。 

中国当局は厳戒態勢を徹底し、警察と軍隊によって包囲されたラサにある3つの主要な僧院では僧侶たちが院内に監禁され、外出禁止令下にある市内全域では市内への立ち入りを武装車両や武装警察部隊が封鎖しています。その一方、ラサ市内の一部では散発的な抗議行動が続き、隣接する青海省、甘粛省、四川省にまでチベット人の抗議活動が拡大していると報じられています。チベット自治区と上記3省のチベット人居住地域では当局との衝突により多数の死傷者を出しながら、依然不安定な状況が続いていると報告されています。

アムネスティ・インターナショナルは、当局が非暴力の抗議活動に参加したチベット人に対して過剰な武力を持って弾圧したことを強く非難し、継続中の抗議活動に対して自制をもって対応するよう貴国に要請します。抗議行動に参加する人びとには平和的に反対の意を表明する権利があり、集会の自由と表現の自由を認めない中国の姿勢は国際人権基準の違反行為であり、許されるべきではありません。

私たちアムネスティ・インターナショナル日本は、今回のチベットにおける人権の危機的な状況を深く憂慮し、事態の改善を求め貴国に以下を申し入れます。

1.抗議行動の弾圧において、ラサやチベットのそのほかの地域で拘禁された人びとの消息を明らかにし、自らの意見や表現の自由、集会・結社の自由を主張したために拘禁されたすべての人びとを速やかに釈放すること。

2.中国当局は、ここ数日の同地域の封鎖と、長期にわたってチベットの人権状況の調査が制限されている状況を特に踏まえ、現在チベットで起きている事件について、独立した国連の調査を受け入れること。

最後に私たちは、チベットの人びとの根本的な不満や憤りを生み出した政策の問題について、貴国が真摯に取り組む必要があることを、お伝えいたします。

2008年3月18日

社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
理事長   搆 美佳

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