国籍をなくしたドミニカの子どもたちを助けて!

ドミニカ共和国に住むヨランダ・アルシノさん(25)は、子どもの出生登録ができませんでした。ハイチ人の非正規移住者の両親から生まれたヨランダさんを、政府がドミニカ人だと認めなかったためです。出生登録がないと、子どもを学校に行かせることもできません。

ドミニカには、ヨランダさんのように突然国籍をなくし、教育や社会保障を得る権利を認められなくなった人たちが数万人いると言われています。

ヨランダさんのような無国籍者に基本的な権利を保障するよう、ドミニカ大統領へ要請してください!

【更新情報2016.02.12】アメリカ地域の人権機構である米州人権委員会(IACHR)が発表した人権報告書の中で、ドミニカ政府がハイチ系の人びとを無国籍にしている問題がとりあげられ、数万人が差別を受けている状況は未だかつてない大規模な人権侵害であると指摘しています。

【更新情報2016.03.29】署名を7月末まで延長:ドミニカでは2016年5月、大統領選挙と議会の選挙が行われます。また、6月にはドミニカ首都のサント・ドミンゴで第46回米州機構通常総会が開催されます。要請の効果をより高めるため、署名を9月にまとめて新大統領府へ提出します。



 

国籍がなく学校に通えない子どもたち

ドミニカで暮らすエリス一家。3世代にわたって国籍がないドミニカで暮らすエリスさんの家族。3世代にわたって国籍がない

ドミニカ政府の方針転換に抗議をする人たちドミニカ政府の方針転換に抗議する人たち

ドミニカには大勢のハイチ系の住民が、暮らしています。しかし2013年に、状況が一変し、一部の人たちの生活基盤が失われてしまったのです。

これまでドミニカで生まれた人たちには、親が外国人であっても、非正規移住者であっても、1929年の憲法によって自動的にドミニカ国籍を認められていました。しかし2013年に憲法裁判所が、外国籍の子孫に対して自動的な国籍取得を認めないことを決定し、しかも、それを1929年までさかのぼって適用すると決めました。該当する人の大部分は、ハイチ系の人たちでした。今までドミニカ人として認められていたのに、多くの人がその身分を突然失ったのです。ヨランダさんもその一人です。

国籍とは、個人が特定の国の構成員であるための資格のことです。人は、自分の国籍国、つまり、所属する国家による保護を受け、義務教育を受ける権利や選挙権など、さまざまな権利を与えられます。無国籍であるということは、法的に国民として認められず、その国の保護も受けることができないことを意味します。

国によっては別の形で身分を保障する場合もありますが、ドミニカでは国籍がないと、社会制度上、その人は存在しないことになります。学校に行くことも仕事に就くことも、医療保険や年金制度に加入することもできないのです。選挙で投票もできません。

大量の無国籍者を生み出したドミニカ政府の方針転換は、国内外から大きな批判を浴びます。そこで政府は救済措置として、2014年、出生登録のない人たちが身分証明書を取得できるよう、6カ月間と期間を区切って帰化申請を受け付ける法を制定しました。しかし、複雑な手続きやドミニカで生まれたことを証明することの難しさなどから、多くの人がこの施策から取り残されてしまいました。政府は無国籍者を一人も出すまいと努力していると言いますが、今も無国籍状態の人が数万人います。ドミニカで生まれ市民権があるのにドミニカ国籍がない人や、帰化手続きを行っておらず、再度手続きをすることが難しい人たちです。

祖先の国である隣国ハイチに移り住む――今までの生活をすべて捨てて、そう選択したとしても、二重国籍を認めていないハイチでは、国籍を得るための別の障害が待っています。

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なぜ突然の方針転換?

ドミニカとハイチは地理的にも歴史的にも深い関わりを持っています。イスパニョーラ島の東西に分かれて位置し、元は同じスペイン植民地でした。

1920年代からドミニカのサトウキビ農園では、ハイチから来た人たちが働いていました。初めは季節労働者として、その後2国間の取り決めとして移住労働が奨励されました。しかし、80年代に砂糖価格が下落したことで労働力が過剰になると、ハイチの人たちは農業だけでなく、さまざまな産業で働くようになっていきます。この状況にドミニカの一部の人たちは、生活を脅かされていると考えるようになります。ハイチ系の人を快く思わない人たちは次第に増えていき、それにつれて政策も差別的になっていきます。移民法もハイチ系の人たちに厳しいものに徐々に変わっていきました。そして2013年、決定的な判断に至ったのです。

アクションに参加しよう!

ドミニカの国籍を持てないことで教育を受けられず、治療や就職に困っているハイチ系の人たちのために、あなたの力を貸してください。ドミニカ政府が無国籍者の存在を認め、国籍や基本的な権利を回復させるための仕組みを作るよう、今すぐ要請してください!署名はアムネスティで取りまとめて大統領に送ります。

※名前、メールアドレス、個人情報保護の項目は必須です。その他の項目にご記入いただいた方には、アムネスティ・インターナショナル日本から後日、活動紹介のご連絡を差し上げる場合がございます。

アクション期間 このアクションは終了しました。(2016年1月29日~7月末日)
要請先 ドミニカ共和国大統領