食品・日用品の裏にひそむ「ブラック」労働をやめさせて

アブラヤシの実から採れるパーム油は、調理用油をはじめアイスクリームやチョコレート、パン、マーガリンなどの食品から、歯磨き、化粧品、シャンプー、洗剤といった日用品まで、さまざまなものに使われています。その生産最大手ウィルマー社傘下のアブラヤシ農園で、危険で過酷な労働が強いられています。

こうしたアブラヤシ農園で生産されたパーム油は、ケロッグ、ネスレ、P&G、ユニリーバなど世界的に有名なメーカーが購入しています。あなたが口にするその食べ物、毎日使うその石けんにも、使われているかもしれません。

自分が使う製品の裏に人権侵害があるなんて、何とかしてほしい!どうすればいい?

アムネスティは、ウィルマー社に直接訴えるより、消費者としてメーカーに行動を促す方が効果的だと考えています。みなさんも、4社に対して、農園の労働環境の改善に影響力を発揮するよう、求めてください!



 

過酷なノルマ、児童労働、毒性の強い農薬・・・

インドネシアのアブラヤシ農園の労働環境が過酷なことは、アムネスティの調査でわかりました。調査では、インドネシアのカリマンタンとスマトラにある5つの農園で働く120人に聞き取りを行いました。以下は、調査で明らかになった実態の、一例です。

  • 非常に高いノルマを課せられ、ノルマ未達は減給。そのため、長時間労働をせざるを得ず、時間外手当はほとんどない。1日12時間週7日働いても、法で定められた最低賃金に届かない労働者もいる。
  • 女性のほとんどが正規雇用されず、日雇い労働に従事。年金や健康保険もない。立場が弱いため、ノルマ達成まで帰してもらえなかったり、ノルマを達成できないと次の仕事をもらえなかったりする。一斉に解雇されたケースもある。不満を言うと賃金を引き下げると脅される。
  • 農場で働く親の低賃金を補うため、あるいはノルマ達成を助けるために、子どもが危険な重労働をしている。学校をやめて働いている子もいる。中には、8歳から働く子どももいる。しかし、農園の監督者は見て見ぬふり。
  • パラコートと呼ばれる非常に毒性の強い除草剤が使用され、労働者は防護服や防護具なしに作業させられる。そして深刻な中毒症状を発症している。

「持続可能なパーム油」!? 問われる企業の責任

世界で一番多く生産されている植物油脂のパーム油は、世界的な人口増加を背景に、需要が急速に拡大しています。その生産量のおよそ半分を占めるインドネシアでは、需要増を受け農園開発が進み、環境破壊が問題になっています。

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問題に対処するために、「持続可能なパーム油」の認証制度が生まれました。労働搾取がなく、森林破壊をしておらず、環境と社会に配慮していると「持続可能なパーム油」のお墨付きがもらえるのですが、調査した5つの農園のうち3つは、児童労働や強制労働、最低賃金不払いなどにもかかわらず、「持続可能なパーム油の生産業者」として指定されているのです。

ウィルマー社からパーム油を調達している最終製品メーカー側も自社のホームページで、「持続可能なパーム油使用」をうたっています。しかし実態は違うことは、今回の調査で明らかです。認証制度だけに頼るのではなく、自ら行動することは、企業の責務です。

生産最大手のウィルマー社が搾取から労働者を守る取り組みをすれば、それが業界に波及していくことでしょう。そして最終製品メーカーはウィルマー社に対して大きな影響力を発揮できます。そのメーカーを動かすのは、私たち、消費者の声です。

報告書を読む

この報告書は、パーム油とラウリン油(パーム核油)の生産、販売最大手で、世界の取引の43%を占めるウィルマー社にパーム油を供給している、インドネシアのアブラヤシ農園での労働搾取について調査したものです。また、本報告書では、インドネシアで生産されたパーム油が、ウィルマー社を経て、最終製品メーカーに渡るまでの過程を追跡調査しています。

報告書:パーム油に潜むスキャンダル-世界的ブランドの裏に労働搾取

アクションに参加しよう!

労働搾取の撲滅と労働環境の改善をウィルマー社に求めるよう、またウィルマー社と連携して被害に対処するよう、ケロッグ、ネスレ、ユニリーバ、P&Gに要請してください。要請は世界中のアムネスティで集め、各企業に届けます。

※名前、メールアドレス、個人情報保護の項目は必須です。その他の項目にご記入いただいた方には、アムネスティ・インターナショナル日本から後日、活動紹介のご連絡を差し上げる場合がございます。

アクション期間 このアクションは終了しました。(2017年3月16日~7月4日)
要請先 ケロッグ社、ネスレ社、ユニリーバ社、P&G社