イスラエルはガザ地区のパレスチナ人の存在を消し去ろうとするジェノサイドを繰り広げていますが、その一環として、大勢のパレスチナ人医療従事者を起訴も裁判もなしに拘束しています。その1人が小児科医のフッサム・アブ・サフィヤ医師です。
フッサム医師はガザ北部で最後まで機能していた病院の院長として、同地域が完全に包囲される中、自身の子どもを空爆で失いながらも多くの命を救い続けてきました。そのフッサム医師の命が、今、危機にあります。1年半余におよぶ不当な拘禁の中で、深刻な拷問や虐待を受けてきたためです。
2024年12月、病院がイスラエル軍に襲撃され、多くの患者や医療スタッフとともにフッサム医師もイスラエル兵士に連れ去られました。
以来、今日に至るまで拘禁され続けています。肉体的・精神的拷問を受け、健康状態が悪化しても治療は拒否され、食事も満足に与えられず体重が激減。6月3日からは独房に収容されています。最近面会した弁護士によれば、その姿は別人のように変わり果て、「君ももう私と会うことはこれで最後だろう」と口にしていたそうです。
イスラエル当局に対し、フッサム医師をただちに釈放するよう求めてください。
| 期 間: | 2026年7月14日~8月末日(予定) |
| 要請先: | イスラエル イタイ・オフィール陸軍少将(軍法務総監) |
※要請先に、あなたの名前、メールアドレスを配信元として直接メールを送ります。
フッサム医師が率いていた病院は2024年12月の襲撃で閉鎖に追い込まれました。同病院はその1年前にも襲撃を受けて一時機能が停止しましたが、後に再開。空爆や砲撃による負傷者、栄養失調や脱水症状に苦しむ人びとの治療にあたっていました。イスラエル軍がガザ地区を南北に分断する軍事区域「ネツァリム回廊」を設けてからは、近隣の医療機関で治療を受けられなくなった患者も受け入れてきました。2024年10月にガザ北部が完全包囲されて以降は、北部に残された推定7万5,000人の住民にとって最後の命綱といえる存在でした。また、ガザの医療が壊滅的な状況にあることを訴えてきました。
占領下のガザ地区で人命を救うことに生涯を捧げてきたフッサム医師が、イスラエルから「非合法戦闘員」だと根拠のないレッテルを貼られ、不当に拘禁されているのです。イスラエルの裁判所は拘禁延長を繰り返し、2026年6月16日には最高裁判所が、即時釈放を求める上訴を棄却。2026年10月まで拘禁継続を認めました。
2026年7月2日、イスラエル人権医師団の弁護士がフッサム医師に面会したところ、医師の頭や全身に新しい打撲傷や拷問の痕があり、もはや本人と見分けがつかないほどだった変わり果てていたそうです。医師はひどく衰弱し、意識を失いそうになりながら、「これが君に会う最後の機会だ......。あいつらは私を殺すためにここに連れてきたんだ」と口にしました。
フッサム医師の息子はこう訴えます。「父は今、生死を分ける危機的な状況にあります。健康状態は日ごとに深刻化しています。父に対する拷問・虐待の即時停止、緊急医療の提供、独立した法的・人道的なルートを通じた容体の監視、そして父の保護と基本的人権が保証されるよう、国際社会、人権団体、メディア、そして良心あるすべての人たちに直ちに行動を取るよう強く求めます。今日、世界が沈黙し続けることは、無実の人の死を意味しかねません。手遅れになる前に、どうか介入してください」
2023年10月に戦闘が勃発して以降、イスラエル軍はたびたびパレスチナの医療機関と医療従事者を標的にして攻撃。医療従事者や医療施設に深刻な影響を与え、占領下のガザ地区の医療体制を崩壊させました。今やガザ北部にあるすべての主要病院は、イスラエル軍および同軍が支援する現地の武装集団の支配下にあります。
フッサム医師をめぐる事態は、パレスチナ人医療従事者を標的にするイスラエルの動きを端的に示すものであり、イスラエルの刑務所や拘置所内の拘禁されているパレスチナ人が、拷問・虐待にさらされ、公正な裁判や十分な食料、医療を受ける権利など基本的人権を奪われている実態を浮き彫りにするものです。



