スペインの首都マドリードにある日本大使館に署名を提出するスペイン支部のメンバー ©AI Spain

袴田巖さんに一刻も早い正義を!

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2023年3月13日、東京高等裁判所は、死刑が確定していた袴田巖さん(87歳)の再審を認める決定を下しました。しかし、まだ再審は開始されていません。

2014年に一度、静岡地方裁判所により再審開始決定が出され袴田さんは釈放されましたが、検察の不服申し立てにより、再審開始が確定するまで9年の月日が費やされました。袴田さんの死刑判決が確定してから、実に43年もたっています。

今回再審開始が決定された最大の要因は、検察側の証拠がどれも不十分だと東京高裁が判断したからです。判決では、死刑判決の決め手となった証拠が捜査機関によってねつ造された可能性にまで言及しました。しかし再審で検察は、証拠はねつ造ではないと、改めて有罪を立証する方針です。

これまで一貫して無実を訴えて闘い続けてきた87歳の袴田巖さん、そしてずっと支えてきた姉の秀子さんに、これ以上の苦難の日々を過ごさせるのは人権侵害以外の何物でもありません。

ねつ造の可能性を指摘された証拠の排除と迅速な結審への協力を、検察に要請してください!

期 間: この署名は終了しました(2023年8月30日~2024年4月9日)
要請先: 小泉 龍司 法務大臣
甲斐 行夫 最高検察庁 検事総長
畝本 直美 東京高等検察庁 検事長
山田 英夫 静岡地方検察庁 検事正

※署名(名前のみ)はアムネスティ日本で取りまとめ、要請先に提出します。

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元プロボクサーの袴田巖さんは、1966年、働いていたみそ製造会社の専務一家4人を殺害した容疑で逮捕され、死刑判決を言い渡されました。この事件では取り調べ過程における不公正な手続きや証拠の信憑性が問題となってきました。袴田さんは弁護士の立ち会いがないまま、20日間にわたる警察の過酷な取り調べを受け「自白」しましたが、公判では、暴行や脅迫を受けて強いられたものだったと、自白を撤回しています。

しかし1980年に死刑判決が確定してしまいます。

1回目の再審請求は棄却されましたが、2008年、弁護団が2回目の再審請求を静岡地方裁判所に申し立てました。その審理の中で新たな証拠も検察から提出されました。2014年3月、静岡地裁は証拠ねつ造の疑いを指摘し、無罪の可能性を示唆し、これ以上の拘置は「耐え難いほど正義に反する」として再審開始と釈放を決定。袴田さんは48年ぶりに釈放されました。ところが、これを不服とした静岡地方検察庁が即時抗告をし、2018年6月、東京高裁は地裁の再審開始決定を取り消しました。この判決に対する弁護側の特別抗告を受け、最高裁判所は、「審理が尽くされていない」として2020年12月に高裁に審理を差し戻し、今回の再審決定に至りました。

検察は、高裁の再審決定に対する不服申し立てを断念しましたが、4月に裁判所、弁護団との初めての3者協議の場で、再審での対応方針を検討するために3カ月の猶予を求めました。そして、7月10日、検察は袴田さんの有罪を改めて立証する意向を明らかにしました。

この署名は終了しました。たくさんの方のご参加、ありがとうございました。