2017年、韓国の軍人23人が合意に基づく同性間の性的関係を理由に起訴されました。韓国には、同性間の性的関係を処罰する刑法はありませんが、軍刑法では犯罪とみなされています。
この軍刑法の存在は、LGBTIの人びとに対する差別的かつ敵対的な環境を作り出し、結果的に軍隊内部ではゲイ男性への嫌がらせや暴力、性的暴行が発生しています。また、性的指向や性自認にかかわらず、歩き方や声の高さなどが「男らしく」なければ、暴力の対象にされてしまう可能性があります。
韓国では、すべての男性に兵役義務が課せられています。韓国当局は、すべての軍人が差別やハラスメントのない環境で服務できるよう、時代遅れで差別的なこの法律を改めるべきです。
同性間の合意に基づく性的関係を犯罪と定めた軍法の条項を廃止するよう、今すぐ韓国国防部長官に要請してください!
韓国の軍刑法第92条6項は、男性の軍人による同性間の合意に基づく性的関係を犯罪としています。この法律によって有罪となった場合、最長2年以下の懲役刑が科される可能性があります。この条項によれば、休暇中に軍敷地外の個人的空間において合意に基づいて性的関係を持った場合でも処罰の対象になります。
1960年代に導入されたこの条項がこれまで適用されたことはほぼありませんでした。問題が表面化したのは、2017年に当局が同性間の性的関係が疑われる兵士の洗い出しに乗り出してからです。同年5月、韓国のソーシャルメディアで、この容疑をかけられた軍人たちが調査を受けているという情報が拡散されました。前例のない大規模な調査が行われ、結果的に20人以上が罪に問われました。
韓国軍の定期健康調査には「同性の人物に惹かれるか」という質問事項が含まれていた。
合意に基づく同性間の性的関係を処罰することは、私生活に関する権利や平等権を含む人権を侵害します。また、性的指向および性自認に基づく差別的かつ敵対的な軍隊の環境を作り、「伝統的な性的規範」に該当しない軍人たちは、ハラスメント、差別、暴力などに直面しています。さらに、このまん延した差別や敵対的環境のもと、彼らの多くが自分自身のことを語ることをためらうようになったり、性的指向または性自認を隠して暮らさざるを得なくさせています。一部のLGBTIの軍人たちは部隊から隔離されたり病院に強制的に入院されたりしています。
ある軍人の証言によれば、「同性の人物に惹かれるか」という質問事項が、韓国軍の定期健康調査に含まれていたそうです。この質問に「非常にそう思う」と回答した彼は、軍内のカウンセラーに自分の性的指向を明らかにしました。いわゆる男らしいタイプでない自分が軍隊に適応できるかどうか不安であると打ち明けて以来、彼は「管理対象兵士」に分類されているといいます。
この軍刑法は、LGBTIの人びとが、愛することの自由、恋愛の自由、性的な関係を持つことの自由を否定しています。
期間 | この署名は終了しました。(2019年9月6日~11月末日) |
要請先 | 韓国国防部長官 |