マナヘル・アル・オタイビさん(29歳)は、2022年11月に逮捕され、反サイバー犯罪法違反の容疑で起訴されました。アバヤという伝統衣装を着用していない姿を撮影した自分の写真や、女性の権利を支持する内容をSNSに投稿したことが、「国の習慣や伝統に抵抗するよう少女たちを扇動した」と見なされたのです。勾留中、5カ月にもわたって外部とまったく連絡できない状態に置かれ、暴行を受け骨折したまま独房に放置されました。
2024年1月、特別刑事裁判所はマナヘルさんに11年の実刑判決を言い渡しました。テロ関連容疑を裁く特別刑事裁判所は、政府に批判的な意見をインターネット上で発信する人たちに、不公正な審理で死刑を下すことも辞さない残酷さで知られています。
マナヘルさんは女性の権利のために平和的に声を上げただけです。
サウジアラビア当局に、マナヘルさんの釈放と彼女が受けた暴行に対する調査を要請してください。
期 間: | 2024年6月21日~10月末(予定) |
要請先: | ワリード・ビン・モハメッド・アルサマニ法務大臣 |
※要請先に、あなたの名前、メールアドレスを配信元として直接メールを送ります。
女性の権利を厳しく管理してきた歴史を持つサウジアラビアでは、近年、社会や文化の「開放政策」が進められています。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の先導するこの改革により、女性を縛る法律や慣習が緩和されてきたとされます。
しかし、その一方で、権利を主張する女性たちが不当に拘束されています。2018年以降、サウジアラビア当局は、女性が意思決定をする際に夫など男性親族の許可を必要とする男性後見人制度の廃止や女性が運転する権利を訴えた女性の権利活動家を、恣意的に拘束。女性の権利を支持するツイートをしたことでテロ関連の容疑に問われ、27年という重い実刑を受けた女性もいます。
拘束された女性たちは、取り調べ中にセクハラや拷問などの不当な扱いを受けたと告白しています。また、釈放されたとしても、海外渡航を禁止され、人権擁護活動など表現の自由を制限されます。
数多くの人権活動家や女性の権利活動家、ジャーナリスト、作家たちが、表現・結社・集会の自由の権利を行使しただけで訴追されています。アムネスティ・インターナショナルの調査では、自己主張を「テロ」と同一視する反サイバー犯罪法と反テロ法のもと、過去10年間で少なくとも69人が訴追されていることが分かっており、実際にはもっと多いと考えられます。