© Faozee Lateh, Kan Sangtong

生死を分けるワクチン格差に終止符を!

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有効な新型コロナウイルス感染症ワクチンが急速に開発されたことは、不安と恐怖におののく世界に希望を与えました。しかし、高所得国の人びとへのワクチン接種は大きく進展しましたが、貧しい国々では医療体制が崩壊する瀬戸際に追い込まれ、死なずにすんだはずの数万人が毎週のように命を落としています。

これまでに接種されたワクチンのうち、低所得国に渡ったのは1パーセント未満。一方で、高所得・高中所得国は約80パーセントを手にしています。

この格差を助長しているのが、ワクチンを開発・製造しているファイザー、モデルナ、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど一握りの企業の行動です。価格設定の高い裕福な国々に優先的に供給しているだけではありません。開発には多額の公費が投入されたにもかかわらず、知的財産権を独占し、ノウハウ・技術の共有を拒み、世界規模での生産拡大を阻んでいるのです。

その一方で、ビオンテック、ファイザー、モデルナの新型コロナワクチン販売による収益は、3社合わせて2022年末までに1,300億米ドル(約14.8兆円)以上となる見通しです。企業の利益が命に優先されることなど、あってはなりません。

世界保健機構(WHO)は低所得・低中所得国の40%の人たちが2021年末までにワクチン接種を終わらせることを目標にしています。しかし、現状は10%にも届いておらず、目標を達成するには、さらに20億回分のワクチンが必要です。その実現は製薬会社にかかっています。製薬会社は何百万人もの命運を握っているのです。

無駄にする時間はありません。裕福な国々に供給が偏っているファイザー、ビオンテック、モデルナ、ジョンソン・エンド・ジョンソンに呼びかけ、ワクチンの不公平を終わらせるために行動するよう要請してください!

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これまでのところ、ワクチン企業の低所得・低中所得国向けの供給は非常に低いレベルに留まっています。ファイザーとビオンテックは、低所得国には生産量の1%未満しか供給しておらず、一方でスウェーデン向けには、その9倍量のワクチンを供給しています。モデルナは、低所得国にまったく供給していません。世界で唯一の単回投与ワクチンを開発したジョンソン・エンド・ジョンソンは、価格は原価で販売していますが、国際調達・配布の枠組みCOVAXへの納入はほとんどが2022年に入ってからです。 

製薬会社は、他のすべての企業と同様に、どこで事業を行っていても、人権を尊重する責任があります。これは、国連の「ビジネスと人権」に関する指導原則およびOECDの多国籍企業ガイドラインに定められているように、期待されるべき行動として広く認識されている基準です。新型コロナワクチンをめぐる企業の責任は、「ワクチンをすべての人が利用できるようにすること」です。そのために各社は、これまでの方針を一転させて低所得・低中所得国への供給を進めるとともに、世界規模での生産拡大のために知的財産権の壁を取り除き、知識・技術を共有しなければなりません。

WHOなどの国際機関が主導して、ワクチンの公平な分配に向け、下記のような枠組みを立ち上げましたが、期待したほどの成果は上がっていません。

  • COVAXファシリティ:所得レベルに関係なく、参加国に利用可能な容量を割り当てる国際調達・配布の枠組み。2021年末までに20億回分の確保を目指していましたが、9月初旬までに出荷されたのは2億4,300万回分だけでした。
  • C-TAP(新型コロナウイルス・テクノロジー・アクセス・プール):知的財産、データ、製造過程を共有財にすることで、他のメーカーに生産をライセンス供与し、技術移転を促進するための枠組み。現在まで、C-TAPを通じて特許やノウハウを共有しているワクチンメーカーは1社もありません。
  • 技術移転拠点  2021年4月、WHOは、mRNAワクチン技術移転を促す拠点を設立し、低所得・低中所得国のメーカーに適切な研修を行うことを表明。6月には最初の拠点を南アフリカに設立すると発表しました。

公正で迅速なワクチン展開を実現するために、ワクチン開発企業はこうした枠組みを活用すべきです。

 

期 間: この署名は終了しました。(2021年10月22日〜12月23日)
要請先: ワクチン開発・製造会社(ファイザー、ビオンテック、モデルナ、ジョンソン・エンド・ジョンソン)

この署名は終了しました。たくさんの方のご参加、ありがとうございました。