当時16歳のパレスチナ人アヘド・タミーミさんが、イスラエル軍兵士に平手打ちなどの暴力を振るったとして、逮捕・勾留され、現在、懲役10年の刑に処せられる危機にあります。
確かに暴力は許されるものではありませんが、兵士は銃や防護ヘルメット、防弾服を身につけており、重装備した兵士にとって、素手による抵抗が脅威であったとは言えません。彼女に科せられようとしている刑罰はあまりに重いものです。
弁護士によるとタミーミさんは、長時間の過酷な尋問、家族への脅迫を受けています。取り調べ中の拷問や虐待は言うまでもなく国際法で禁じられていますが、未成年者の収容は必要最小限の場合にとどめ、最終手段として用いられなければなりません。
【更新情報 2018.03.22】
3月21日、タミーミさんは、軍事裁判所から禁錮8カ月と罰金5,000シェケル(約15万円相当)を言い渡されました。この判決は子どもたちの権利を無視し、パレスチナ人に対する差別的な政策を断行するというイスラエル当局の意思をあらためて示しています。今回の判決を受け、要請内容を一部修正し、引き続きアクションを続けます。
今すぐタミーミさんを釈放するようイスラエルの首相に要請してください。
不当に拘束されるパレスチナの子どもたち
2017年12月15日、タミーミさんはイスラエルによる占領が50年続くヨルダン川西岸地区で、イスラエル軍の兵士2人に平手打ち、蹴りなどを加え、その様子を撮った動画がインターネットで広く拡散されました。後日、タミーミさんは兵士に連行され、今年1月1日には「悪質な暴行」などで起訴されました。
タミーミさんが犯行に及んだ理由は明らかになっていませんが、その日、彼女は家族とともに、エルサレムをイスラエルの首都と認定した米国トランプ大統領の決定に抗議するデモに参加していました。そこで従弟が兵士に至近距離からゴム弾を打たれ、重傷を負うといった事件が起きています。
動画を見る限り、兵士2人がタミーミさんの繰り出す手や足を払いのけるのは容易なことだったと思われます。しかし、動画を見た多くのイスラエル人が激怒し、同国の教育相は軍のラジオ放送で「死ぬまで監獄暮らしだ」とまで言い放ちました。タミーミさんへの仕打ちは、反抗的なパレスチナ人に対するイスラエル当局の差別と偏見をあらわにしています。
被占領ヨルダン川西岸地区では、毎年、パレスチナの子ども数百人がイスラエルの軍事法廷にかけられています。多くは、イスラエルによる長年の占領、抑圧的な政策に抗議した者で、暴力を用いていない平和的な行動さえも罪に問われ、罰せられています。一方でイスラエル兵士によるパレスチナ人への暴力事件が裁かれることはめったにありません。地元の人権団体によると、現在、パレスチナの子ども350人が不当に拘束されています。
アクションに参加しよう!
タミーミさんを釈放し、子どもを不当に拘束するのをやめるよう、イスラエルの首相に要請してください。
アクション期間 | このアクションは終了しました。(2018年2月8日~4月25日) |
要請先 | ベンヤミン・ネタニヤフ(イスラエル首相) |