2006年:武器貿易条約(ATT)締結の達成を左右する重要な年

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2006年1月18日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:
トピック:武器貿易条約
ハイチ共和国、コンゴ民主共和国(DRC)、シエラレオネ共和国への武器移転の衝撃

「コントロール・アームズ」キャンペーンによる報告(オックスファム・インターナショナル、アムネスティ・インターナショナル、国際小型武器行動ネットワーク(IANSA))

国連が5年ぶりに小型武器規制の本格的見直しをするにあたり、「コントロール・アームズ」キャンペーンは本日、各国政府は今年、国際武器貿易条約(ATT)交渉に弾みをつけなければならないと語った。

 同キャンペーンが本日発表した、ハイチ、コンゴ民主共和国、シエラレオネへの武器移転による犠牲に関する3つの報告書は、現行の武器規制は罪のない民間人を守るには無力であると述べている。

 今年6月、小型武器規制の転機となる国連会議が開かれるが、今週ニューヨークで開催される国連会合はその下準備を行う。

 「2006年、世界は選択することになる。武器拡散による大量の犠牲を無視し続けるのか、ようやく武器貿易規制に乗り出すのか」と、オックスファムのバーバラ・ストッキング事務局長は述べた。「相手が殺人者だと知りつつ銃を売るのは犯罪人だけだ。しかし各国政府は、過去に人権侵害を犯した政権や、武器が戦争犯罪人の手に渡る国ぐにに武器を売ることができるのだ」

 恐竜の骨や古い郵便切手などの国際取引管理には法的拘束力のある国際条約がある一方で、武器移転を包括的に規制する国際協定は存在しない。

 「コントロール・アームズ」キャンペーンは、今週の国連会合で加盟各国に対し、条約に向けた1つの構築材料として、武器の販売を規制する国際的に統一された原則の下準備をするようにと呼びかけている。

 「ハイチ、コンゴ民主共和国、シエラレオネは、自国ではほとんど武器を製造していないにもかかわらず、武器で溢れかえっている。その武器が数十万人もの人びとを殺し、傷つけ、路頭に迷わせ、すべてを剥奪するために使われてきたのである。政府が効果的な武器規制を導入できなかったために、平和維持のための努力が幾度となく妨害されてきた。常に武装暴力行為を恐れながら暮らしている数百万人の男性、女性、そして子どもたちのために、世界の指導者たちはこの歴史的機会を捉えて、武器貿易条約交渉を開始すべきである」と、アムネスティのキャンペーン上級部長、デニース・サールはこう語った。

 ハイチでは首都ポルトープランスで荒れ狂う武装暴力行為により、今後数か月の間に、信頼性のある選挙が平和的に行われないかもしれないという不安が増している。2004年2月にアリスティッド大統領が逃亡して以来初の大統領選挙は、今月4度目の延期となった。

 ポルトープランス在住のイボンヌ(29歳)は2005年8月18日の襲撃についてハイチ報告書の中で語っている。「強盗団が家にやってきました。機関銃を持っていました。大量の銃です。私は殴られ強かんされました。こんな暴力は以前にはなかったことです。彼らは人びとを殺し、警察も人びとを殺しています。女性たちはいつも強かんされているのです」

 シエラレオネ報告書によると、1991年から2002年まで続いた内戦中に実施された国連の武器禁輸は簡単に破られた。継ぎ接ぎだらけの現在の効果のない武器規制は、無法な武器商人が禁輸の抜け道をさっさと見つけたことを意味している。
 「シエラネオネ、コンゴ民主共和国、ハイチ、そして他の多くの国々の民間人が殺人、強かん、誘拐の波に耐えてきた。規制のない武器貿易がこれらの残虐行為の燃料となっている。無責任な武器取引を取り締まるべきかどうかを決定する政治家に対し、犠牲者が個人的に陳情することは不可能だ。しかし、これらの犠牲者をはじめ、毎年武器による暴力によって生活を破壊されている数十万人もの人びとの声は、無視されてはならない」と、国際小型武器行動ネットワークのレベッカ・ピーターズ事務局長は語った。

【背景】
 「コントロール・アームズ」キャンペーンはアムネスティ・インターナショナル、オックスファム・インターナショナル、国際小型武器行動ネットワーク(IANSA)の共同キャンペーンである。武器の拡散と乱用を減らすこと、各国政府に法的拘束力のある武器貿易条約を導入させることを目的としている。

アムネスティ国際発表ニュース
AI Index: POL 30/001/2006
2006年1月9日

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集められた「顔署名」は、今年6月の小型武器規制に関する国連会合期間中、各国政府に対する「市民の声」としてディスプレイされる予定です。
http://www.controlarms.jp/index2.php