- 2006年3月16日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:
- トピック:国際人権法
米政府が反対票を投じたことは残念である。しかし、賛成170、反対4、棄権3という結果は、人権理事会に対する明白な国際的支持をあらわしている。
「これは、世界中で人権を保護しようという流れの勝利だ」と、アムネスティ・インターナショナルのイヴォンヌ・テーリンゲン国連代表は語った。「大変な作業は始まったばかりだが、反対票にもかかわらず、米政府が理事会に協力し支持するというニュースには勇気づけられる」
次回の会合では、人権を支持し人権理事会を強固で効果的にすることに確固とした責任を持つ理事会メンバーを選出するため、すべての加盟国が協力することになる。
アムネスティは、理事会メンバーに立候補を検討しているすべての加盟国に、以下のことを呼びかける。
- 立候補に際し、人権の促進と保護について最も高い基準を支持することに責任を持つことを、公に表明すること。
- 2006年5月9日の選挙の少なくとも30日前、4月8日までに立候補を表明すること。
人権理事会メンバーの選出は秘密投票によって行われ、国連総会の大多数の支持を必要とする。地域グループは、理事会選挙の透明性の精神が尊重されることを保証する責任がある。これまでは、選挙直前に地域グループが候補国リストを発表していたが、国連人権委員会でこれまでとられていた方法は止めなければならない。
「理事会メンバーに選出されたすべての国は、最も高い人権基準を支持しなければならず、理事会と十分に協力し、任期中に自らの国内の人権状況が評価されることを受け入れなければならない。これらの要件を満たさない国は、立候補すべきではない」とテーリンゲン代表は述べた。
<背景情報>
本日採択された決議案によって、すべての人権問題に対応するために明確な責務を負う理事会が設立される。理事会は、より頻繁に会合を持ち(少なくとも年に3回)、より容易に特別会合を召集することができる。それによって、慢性的、また緊急の状況に対して効果的に対応することができるようになる。新たな普遍的な評価システムは、定期的にすべての国の人権状況を審査することを保証するべきである。
決議によって選挙手続きも決められたが、国連加盟国がそれを真剣に考慮するなら、近年の人権委員会よりもはるかに人権の促進と保護に努力する加盟国が理事会メンバーとなるだろう。候補国を拍手で承認していた人権委員会に替わり、理事会のメンバーとなる国は、個別に投票によって選ばれなければならない。投票に関するより高い基準が採用され、191か国の票のうち少なくとも96か国の票が必要とされる。任期は最長6年に限定される。深刻かつ組織的な人権侵害を犯した政府は、国連総会の3分の2以上の票によって理事会から除外される。決議はまた、「特別審理」という独立した専門家という独特のシステムや、NGOの参加といった、理事会にとって重要な強みを持っている。アムネスティ・インターナショナルは、人権理事会が、過剰な議題にあふれていた委員会と比べ、よりよい対話と行動に役立つ協議事項を採択するよう期待している。
アムネスティ発表国際ニュース
(2006年3月15日)
AI Index: IOR 40/009/2006