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コントロール・アームズ:武器規制の抜け穴につけ入る世界の武器産業

2006年10月10日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:
トピック:武器貿易条約
武器産業が地球規模で展開するようになり、現行の武器輸出規制すべてに大きな抜け穴が開いてしまった。これにより、武器禁輸の対象となっている人権侵害の加害者や国家への販売が可能となっている。コントロール・アームズ・キャンペーンは今回そのように報告した。

コントロール・アームズキャンペーン最新報告:
オックスファム・インターナショナル、アムネスティ・インターナショナル、国際小型武器行動ネットワーク(IANSA)

報告書「国境なき武器」は、国連の武器規制に関する年次会合の開幕に合わせて、本日発表された。これから、国連において、武器貿易条約への取り組みを始める歴史的な採決がおこなわれる。

報告書によって、とりわけ米国、欧州連合(EU)、カナダの企業が武器規制をかいくぐっていることが明らかになった。自らは部品を販売し、海外の下請会社に武器を製造させているのである。報告書には、中国、エジプト、インド、イスラエル、トルコなどで、認可を受けた業者が外国製の部品を組み立てて攻撃ヘリコプターや戦闘用トラックなどの武器を製造する仕組みが詳細に述べられている。

報告書では、こうした武器や似たような武器が、最終的にコロンビア、スーダン、ウズベキスタンなどに渡り、民間人の殺害や強制移住に使われていることを伝えている。報告書は、ますます国際化する武器産業を規制するための地球規模のルールが大至急必要であることを浮き彫りにしている。

「報告書は、法の抜け穴の存在と、それによる命の破壊が続いていることを明らかにした。武器を作っている企業は地球規模に展開しているが、武器規制は地球全体をカバーしていない。その結果、人権侵害を行なう国家が武装している。欧州と北米は急速に武器産業の『IKEA』になりつつある。つまり人権侵害の加害者に部品を提供し、国内で組み立てをさせているのだ。モラルも何もあったものではない。今こそ武器貿易条約が求められている。」オックスファム・インターナショナルのジェレミー・ホッブス代表はこう語る。

報告書によって、武器製造企業が合法的に禁輸を含む武器規制をかいくぐることを可能にしている大きな抜け穴が2つ明らかになった。

「完成品としては売れないが、部品一つ一つとしてなら売れる」
欧州連合(EU)は中国に対して武器禁輸をしている。米国とカナダは中国に攻撃ヘリコプターは売らない。しかし、中国の新しい攻撃ヘリコプターZ-10は、英国/イタリア企業(オーガスタ・ウェストランド)、カナダ企業(プラット&ホイットニー・カナダ)、米国企業(ロード・コーポレーション)、フランス系ドイツ企業(ユーロコプター)の部品と技術なしに飛ぶことはない。中国はこれまでスーダンなど多くの国に攻撃ヘリコプターを売ってきたが、そのスーダンについては、EUは完全に武器禁輸対象国としており、国連も部分的な武器禁輸対象国としている。
イスラエルが最近のレバノン危機で用いたアパッチヘリコプターは6千を超える部品からなっているが、これらは英国、オランダ、アイルランドをはじめ世界中で製造されたものだ。EUの行動綱領によると、これらの国ぐには直接イスラエルに攻撃ヘリコプターを輸出することはできないことになっている。

「ここからは売れないが、あそこからなら売れる」
2005年5月、ウズベキスタンの治安部隊がデモ隊に発砲し数百人を殺した。ウズベキスタン軍はこの大虐殺で軍用ランドローバーを使っていた。部品の70パーセントが英国製である。ランドローバーの部品は「フラットパック」と呼ばれる平らな箱に入れられてトルコに送られ、そこで軍用車に組み立てられてウズベキスタン政府に供給されていた。英国内で組み立てられたわけではないため、英国政府は規制のしようがない。

「EUの武器メーカーは原理原則のために利益を犠牲にする必要はない。下請けをさせればよいだけだ。」国際小型武器行動ネットワークのレベッカ・ピーターズ代表はこう語る。「例えば、オーストリアの銃製造会社グロックはブラジルに製造工場を建てようとしている。これが完成すれば、グロック社はブラジル工場から銃を輸出し、EUの武器輸出に関する行動綱領をかいくぐることができる。」

さらに報告書によると、武器産業に革命をもたらした技術は家庭でも使われているものであり、規制の対象になっていないことが多い。例えば、最新のDVDプレーヤーで用いられているデジタル信号プロセッサは、戦闘用ジェットミサイルシステムの目標捕捉システムでも使われている。この技術を軍用機で使用するために売っても、規制の対象にはならない。

「武器貿易の諸法は時代遅れであり、組み立てられて破壊兵器になる部品を売るよりも軍隊のヘルメットを売る方が厳しく規制される。今必要なのは、人権を侵害する輩に武器が流れることを阻止する有効な国際武器貿易条約なのだ。」とアムネスティのアイリーン・カーン事務総長は語る。

事実と数字:
今年末までに軍事費は未曾有の1兆589億米ドルに達する見込みである。これは国際援助のための支出の約15倍であり、冷戦下の1987~88年に記録された1兆340億米ドルを現在の価値に換算したものよりも高い。
2005年、米国、ロシア、英国、フランス、ドイツの5カ国で世界の武器移転の82パーセントを占めたと推定される。
ブラジル、インド、イスラエル、シンガポール、南アフリカ、韓国は、武器製造で世界のトップ100に入る企業を擁している。

問い合わせ先:
オックスファム・インターナショナル:
Clare Rudebeck:+44(0)1865 47 2530 ,+44(0)7769 887 139
アムネスティ・インターナショナル:
Nicola East: +44(0)207 413 5729
IANSA:
Alun Howard: +44(0) 7900 242 869

アムネスティ発表国際ニュース
(2006年10月2日)
AI Index: POL 30/042/2006


 

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