危機にさらされる国連の信頼性

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2007年3月15日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:
トピック:国際人権法
アムネスティ・インターナショナル事務総長は、人権理事会および国連全体の信頼性が危険にさらされていると、警鐘を鳴らした。

アイリーン・カーン事務総長は、国連人権理事会第四会期において次のように述べた。国連人権理事会は未完の国連改革の途上で生まれた機関である。国連改革は本来、安全保障理事会の改革も含めなければならなかった。ジュネーブでの記者会見において、カーン事務総長は、新たに人権理事会が作られたものの、もう一つの理事会である安保理の方の改革は進んでいない、と述べた。

「改革の一部における失敗や挫折が、改革のその他の部分にまで暗い影を落とすようなことは許されてはならない。各国は、国連人権理事会に対して、原則的かつ建設的な、人権に基づいたアプローチで取り組む必要がある。さもなければ各国は国連全体の信頼を失墜させることになり、誰も得るもののない危険なゲームになってしまうだろう。」

国連という仕組みが信頼性を自らの内に取り戻すことは非常に重要である、とカーン事務総長は述べた。国連改革にとって人権理事会が設置されたことは2005年中の国連改革の特に重要な成果であるとしつつ、アイリーン・カーンは、ここ9カ月間、人権を守るというその任務は、組織設計に焦点があたった議論の中で、冷たい倉庫の中にしまいこまれてしまった、と述べた。

「組織設計は重要です。人権理事会は然るべき構造をもつべきなのです。特別手続は、そのような組織構造の中でも特に重要な部分です。だからこそ、多くのNGOが特別手続を守るための署名活動を開始したのです。」

本日の特別手続に関する議論は専門的かもしれない。しかし特別手続は、人権理事会のみならず人権、そして国連全体にとって極めて大きな影響がある。特別手続、すなわち人権理事会に属する特別報告者や特別代表、独立専門家や作業部会などは、人権を促進し保護するため、国連によって作られたもっとも先進的かつ柔軟性と即応性を備えた仕組みなのである。カーン事務総長は、そのように述べた。

アイリーン・カーン事務総長のジュネーブでの記者会見のスピーチ全文は、以下を参照
http://web.amnesty.org/library/Index/ENGIOR300052007

特別手続を守るための署名活動へ参加をお願いします。
http://www.actforspecialprocedures.org

(2007年3月15日)
AI Index:IOR 40/006/2007