ブルンジ:新法は死刑を廃止するも同性愛を禁止

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2009年4月24日
国・地域:ブルンジ
トピック:死刑廃止
アムネスティ・インターナショナルは本日、ブルンジにおける新刑法採択は喜ばしいことであると同時に失望させられた、と述べた。

新刑法は、死刑を廃止し、拷問、ジェノサイド(集団殺害)、戦争犯罪および人道に対する罪を処罰に値するとしているが、一方で、同性愛を禁止している。

アムネスティは、ブルンジにおける死刑廃止を歓迎し、それが、死刑に背を向ける国際的な流れを一層強化するだろう、と述べた。

しかし、国際人権法および地域の人権法の下でのブルンジの義務に反して、同性愛を犯罪とみなすブルンジ政府の決定によりこの喜ばしいニュースが台無しになった、とアムネスティは語った。またその決定は、プライバシーの権利を保障するブルンジ憲法にも反するものである。

この刑法によると、同意に基づく同性間の性交渉で有罪判決が出された者は、2年から3年の刑および5万から10万ブルンジ・フラン(42~84米ドル)の罰金が科される恐れがある。アムネスティは、この新法の規定により、成人間の私的な性的関係を含め、ただ単に実際の性的指向やそれらしいということを理由として投獄される事態が起きることを憂慮する。アムネスティは、新法からその制限規定を削除するよう、ブルンジ当局に要請する。

背景情報:
ブルンジは、世界で93番目に死刑を全面的に廃止した国となった。民間の法廷で死刑判決を受けた者の最後の死刑執行がとりおこなわれたのは1997年である。その際、非常に不公正な裁判の後に、6人が死刑を執行された。地元の人権団体は、2008年末時点で、約800人の死刑囚がいると発表していた。

同性愛の犯罪化は差別的であり、かつ、自由権規約(ICCPR)の下でのブルンジの義務に反する。自由権規約は、差別からの自由(第2条および第26条)、表現の自由(第19条)、プライバシーの権利への恣意的介入からの自由(第17条)、そして良心の自由(第18条)に関する権利を保護するものである。

人及び人民の権利に関するアフリカ憲章の第2条は差別を禁止し、第3条は法の下の平等を約束し、そして第28条では「すべての人が、差別することなく互いを尊重し思いやり、相互尊重および寛容を促進、保護そして強化していくことをめざした関係を維持する義務を負う」ことを規定している。人及び人民の権利に関するアフリカ委員会の評議会は、その第10回通常会合において、「法の下の平等および法による平等な保護とともに、アフリカ憲章の第2条により規定されている非差別の原則は、すべの人権の享受のための土台を提供する。この原則の目的は、国籍、性別、人種または民族的出自、政治的意見、宗教または信念、障がいの有無、年齢そして性的指向にかかわりなく、個人に対する処遇の平等を保証することである」と、明言した。

現地の保健機関は、HIV/AIDSを抑えるその事業の効果がこの規定(=同性愛禁止規定)により限定されてしまうかも知れない、と述べている。今回改定された規定は、人びとの自発的カウンセリングや検査、感染予防に関する情報などへのアクセス権、そして必要とする治療へのアクセス権を保証する試みを、弱体化するものだとも述べている。

アムネスティ発表国際ニュース
AI Index: AFR 16/004/2009
2009年4月24日

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