強力な武器貿易条約(ATT)を国連事務総長が支持

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2012年7月19日
国・地域:
トピック:武器貿易条約

ニューヨークの国連ビル前で活動家たちが遺体袋に入り、強力な武器貿易条約を要求した© Control Arms Coalition/Andrew Kelly
ニューヨークの国連ビル前で活動家たちが遺体袋に入り、強力な武器貿易条約を要求した© Control Arms Coalition/Andrew Kelly

潘基文国連事務総長は7月3日、ニューヨークの国連本部での挨拶で、武器移転を厳しく規制する条約の締結を求めてキャンペーンをしてきた活動家たちを褒め称えた。「各国代表は今月末までに、強力で実効性のある条約の採択を目指して議論を行います。あなた方の力強い声は、採択に向けて取り組む各国代表を強力に後押しすると確信しています」 と。

挨拶に先立って、「コントロール・アームズ」キャンペーンを推進するアムネスティ・インターナショナルなどからなるNGO連合は、事務総長に60万筆を超える署名を提出した。署名は、規制もなく身勝手に行なわれる武器移転に歯止めをかける実効性のある条約を要求している。    

潘基文事務総長は、挨拶に先立ち、条約合意に向けた1ヵ月間に渡る、この重要な政府間交渉の開始を宣言した。潘国連事務総長は、「武器の国際移転が野放しに行われ、様々な人びとに苦痛をもたらしています。この事態を終結させるため、我々は今、行動しなければならないのです」と訴えた。

アムネスティのサリル・シェティ事務総長は、潘基文国連事務総長に署名を手渡すにあたり、「条約が実効性を発揮できるよう、事務総長としてあらゆる手立てを講じてほしい」と要請した。「これまで武器禁輸が課されるのは、すでに多くの人びとが命を落とした後です。このような後手の対応に、もう終止符を打つべきです」と訴えた。「世界中の人びとは、問題が起こる前に、問題の原因解決に取り組む条約こそが必要なのだ、と思っています」

甘い規制のもとで身勝手に武器が移転され、その結果、毎年数百万もの人びとが命を落とし、負傷し、強かんされ、弾圧され、自宅を追われている。現在、通常兵器の国際移転を取り締まる、包括的で法的拘束力のある国際的な規則はなく、各国や地域的な規制にも、抜け穴がある。

アムネスティが期待するのは、重大な人権侵害に使用される、あるいは侵害の助長に使用される危険性が高い地域への武器移転を明確に禁止する条約だ。

潘国連事務総長はまた、宗教指導者、医療専門家、国会議員らからも強い規制を盛り込んだ条約を求める声明を受け取った。

世界中の人びとは、交渉が終了する7月末までの今後数週間にわたって、強力な武器貿易条約の成立に向け、それぞれの指導者にますます圧力をかけることになるだろう。

アムネスティ国際配信ニュース
2012年7月3日