2百万の手紙やツイートが、不当に人権侵害された人びとの運命を変える

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2013年12月11日
[国際事務局発表ニュース]
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「ライティングマラソン」は、アムネスティが世界中で展開する大規模な人権キャンペーン(C)
「ライティングマラソン」は、アムネスティが世界中で展開する大規模な人権キャンペーン(C)

アムネスティが世界中で展開する大規模な人権キャンペーン「ライティングマラソン」は、手紙を書くという簡単な行為によって不当な人権侵害に苦しむ人びとの状況を変えようするもので、毎年、世界の何十万という人が参加する。

ライティングマラソンでは、無実の罪で投獄されるなど政府の抑圧に苦しめられている個人やコミュニティを支援するために、政府に釈放などを要請する手紙を送る。キャンペーンの対象となる本人や団体に激励のメッセージを届けることもある。今年は12の事例を取り上げ、12月6日から17日までの間、世界80カ国以上で展開する。

アムネスティはこの期間中、2百万以上の手紙、ファックス、メール、ツイートを送り届けることを目指している。世界各地でコンサート、展示会、24時間ライティングマラソンなど、さまざまなイベントも開催する。

世界のさまざまな人権問題から選んだ、今年の12ケースの一部を紹介する。

良心の囚人
(暴力を用いていないのに、信念や信仰、人種、発言内容などを理由に囚われている人びと)

  • エチオピア人ジャーナリスト、エスキンデル・ネガさんは、2008年から刑務所に拘禁されている。スウェーデンでエチオピア政府を公に批判したことがテロ行為と見なされ、18年の刑で服役している。
  • ビルマの地域リーダー、トゥンアウン医師は、イスラム教徒と仏教徒間の衝突を沈静化させようとした行為が暴動を扇動したと見なされ、17年の刑を言い渡された。
  • 3人のロシア人活動家は、ボロトナヤ広場での平和的な抗議活動の直後、収監され、「大規模な騒乱に参加した」として起訴された。

国の人権侵害の犠牲者

  • カンボジア人活動家ヨルム・ボファさんはこの11月22日、保釈された。しかし、ボンコック湖周辺住民の居住権を擁護する活動に関して、でっち上げの罪に問われたままである。
  • メキシコ人主婦ミリアム・ロペスさんは、軍関係者に拷問を受けた上、強かんされ、さらに麻薬取引に関わったとする文書に署名を強要された。

開始以来、このキャンペーンは良心の囚人の釈放という、具体的な成果を生み出してきた。また、収監中の人びとにとって、支援のメッセージは何物にも代えがたい支えとなってきた。

昨年末のライティングマラソンで手紙を受け取ったベラルーシの人権活動家アレス・ビアリツキさんは、獄中から次のように語っている。

「山のような手紙やはがきに埋もれながら年を越しました。受け取ったメッセージはすべて読ませていただきました。言葉にはならない新年となりました」

 

アムネスティ国際ニュース
2013年12月2日