- 2014年5月12日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:
- トピック:国際人権法
ブルネイ国王の宣言で新刑法が5月1日に発効した。(C)STR/AFP/Getty Images
ブルネイの衝撃的な内容の新刑法は、人権面で同国を暗黒時代に引き戻す。
石打ちによる死刑、むち打ち、手足の切断を含む残酷で非人道的な刑罰を含む新刑法は5月1日に発効した。
新刑法は残酷かつ非人道的な刑罰を合法化しており、ブルネイが国際社会に約束した人権の取り組みを反故にするもので、直ちに廃止すべきだ。
国際法が死刑を認める「最も重大な犯罪」とは到底言えない、強盗などの犯罪にも死刑を科している。また、犯行時に18歳未満でも死刑の対象となる。
さらに、婚外性交渉や同意に基づく成人の同性間の性交渉など、そもそも犯罪とみなすべきではない行為に対してすら、石打ちによる死刑を認めている。新刑法にはまた、思想、良心、宗教の自由を制限する条項や、女性を差別する条項もある。
この新刑法は、国際的人権団体や国連を含めた国際社会から厳しい批判を浴びている。国王が関わる事業をボイコットして対抗しているLGBTI(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス)グループなどもある。
国連人権理事会は5月上旬、ブルネイの人権記録を審査する。国連加盟国はこの機会に、ブルネイが忌わしい刑法を廃止し、同国の法律を国際人権法と人権基準に厳格に準拠するものとするよう圧力をかけなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2014年4月30日