- 2014年9月29日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:
- トピック:武器貿易条約
ATTは年内に発効し、批准した50カ国以上が法的義務を負うことになる。(C) AFP/Getty Images
これまで世界の武器取引は野放図に行われ、そのために何百万人もの生命や生活が脅かされてきた。9月25日、この状況の打開に向けて事態は大きく前進した。武器貿易条約(ATT)の批准国が発効に必要な50カ国を超えた。これによりこの歴史的な条約は90日後の12月24日に発効する。
この日、アルゼンチン、バハマ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、チェコ、ポルトガル、セントルシア、セネガル、ウルグアイが新たに批准した。ATTが年末に国際法として発効すると、すべての批准国が遵守する義務を負うことになる。
ATTの発効は、多くの犠牲者を出してきた野放しの武器移転を終わらせる闘いの歴史的な節目となる。
この画期的な進展は、闘いに参加し、各国政府に圧力をかけてきた百万以上の人びとの支援活動によるところが大きい。しかしキャペーンはこれで終わるわけではない。世界のすべての国が、ATTを批准する勇気ある決断をするように後押ししていく必要がある。
アムネスティは1990年半ばからATTの実現に向け精力的にロビー活動を続け、キャンペ-ンを行ってきた。 武器の国際取引が規制されていないことから、毎年少なくとも50万人が命を落とし、数百万人が負傷し、強かんされ、家を追われている。
ATTは武器が集団虐殺、人道に対する罪、戦争犯罪などの重大な人権侵害に使用される恐れが明らかな場合、その国への武器の移転を禁止する。
武器輸出の上位10カ国のうちフランス、ドイツ、 イタリア、スペイン、英国の5カ国はすでにATTを批准している。 米国は条約に署名したが、批准はまだしていない。 中国、カナダ、イスラエル、ロシアなどの主要武器製造国は批准に抵抗している。
各国の指導者が、人道に対する罪、戦争犯罪、そして繰り返される銃犯罪などに使用される武器の移転阻止に本気で取り組むなら、条約に加盟し、実効性ある運用を開始すべきである。人命を救うこの条約に関しては、どんな口実もはぐらかしも許されない。
アムネスティ国際ニュース
2014年9月25日