- 2014年12月25日
- [国際事務局発表ニュース]
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アムネスティは長年にわたり、「キューバン・ファイブ」のために活動してきた。(C)PAUL J. RICHARDS/AFP/Getty Images
米国とキューバは12月17日、関係正常化の取り組みの一環として双方の捕虜を交換した。これにより、過去半世紀以上続く人権政策を転換する最良の機会が訪れる。
この日、スパイ容疑で過去5年間キューバで収監されていた米国の活動家アラン・グロスさんと、スパイ容疑で過去16年間米国で拘束されていた「キューバン・ファイブ」と呼ばれるキューバ人5人の残り3人が釈放され、それぞれ帰国の途に着いた。
米国とキューバは過去半世紀以上にわたり、非難を応酬し制裁措置を課してきた。捕虜交換は、この犬猿の関係を修復する上で待望の殊勲打である。いかなる政策の転換も、長年続くキューバの人権状況を変えることを念頭に進めるべきだ。
キューバの経済や社会状況を、そして人びとの権利に悪影響を及ぼしてきた米国によるキューバへの禁輸措置が、2国間の関係正常化の一環として解除されるなら、キューバは国際人権義務を果たさないのは制裁措置だとする言い訳ができなくなる。
アムネスティは長年、「キューバン・ファイブ」の釈放を求めるキャンペーンを行ってきた。
国連作業部会が、このキューバ人5人がマイアミで公正な裁判を受けられないことへの懸念を表したときには、この指摘に賛同し、獄中の夫の面会に必要なビザを妻に発効しなかった米国を非難した。
今回釈放されたのは、ヘラルド・エルナンデスさん(49歳)、アントニオ・ゲレロさん(56歳)、ラモン・ラバニーノさん(51歳)の3人。
他の2人、レネ・ゴンザレスさん(58歳)とフェルナンド・ゴンザレスさん(51歳)はすでに釈放されている。
国際的には公正と程遠い裁判で、15年以上も不当な獄中生活を強いられた。今回の釈放は、3人の男性とその家族にとって計り知れない安堵であろう。
アムネスティなどの人権団体が長年、5人の裁判と処遇の問題を指摘してきたことを考えると、米国政府はもっと早期に彼らに恩赦を付与すべきであった。
アムネスティ国際ニュース
2014年12月17日