- 2015年4月21日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:
- トピック:難民と移民
イタリアは2013年から海洋捜索救助作戦を行い、大勢の命を救ってきたが、昨年末で終了した。同国の沿岸警備隊は作戦終了後も救助活動を続けていた。
地中海で1,000人以上の難民・移民が死亡した事件で、欧州委員会と欧州各国の外相・内相は捜索・救助対策の機能不全に緊急に対処しなければならないことを、ようやく認めるに至った。
4月20日、欧州委員会は、加盟国の外相と内相による合同会合で、地中海における危機的状況に対応するために10項目の緊急措置を提示した。この案は、23日に開かれる緊急首脳会議でさらに協議される。
事態の深刻さを認めようとせず、無意味な美辞麗句を並べていたこれまでの政策から、一転して前向きな動きではあるが、アムネスティは、細部にはいつも落とし穴が潜むものであると危惧している。命を救えるかどうかは、捜査・救助活動の拡大範囲、投入できる資金・人材、時期など、緊急措置の中身次第である。
木曜の緊急首脳会議は、地中海で命を救う覚悟が欧州にどれほどあるかを問う、リトマス試験といえる。今こそ、言葉を具体的な行動に移さなければならない。とりわけ各国が連携して捜索・救助活動を着実に遂行することが肝要である。
緊迫感によって、欧州の各国政府や各機関はやっと腰を上げた―少なくとも、紙の上では。言葉だけ、というのは、もはや許されない。海上に船団を配備し、空からも航空支援を確保して総合的な捜索・救助活動を直ちに展開すれば、これ以上の犠牲は防げるであろう。迅速な決断と最後までやり抜く行動力は、欧州各国にかかっている。
アムネスティ国際ニュース
2015年4月20日