アルメニア:電気値上げ反対デモ 警察が放水銃で対応

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2015年6月30日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:アルメニア
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アルメニアの警察が6月23日、首都エレバンの街頭で、デモを解散させるため過剰な力を行使したという。当局は、この申し立てに対して、早急に公平で独立した捜査をしなければならない。

警察の発表によれば、中央広場で徹夜の抗議集会に参加した後に大統領府へ向かって行進していた人たち237名が逮捕された。 6月19日以降、電気料金値上げに反対する数千人の市民がエレバンやギュムリなどの都市で抗議デモを行っていた。ギュムリでは12名が逮捕された。

当局が、デモ隊を追い散らすために用いた強引な戦術は、表現と集会の自由の権利を否定するものであり、行使すべきではなかった。 ビデオの映像は、放水銃からの強力な噴流が無抵抗のデモ参加者を地面になぎ倒す様子を映していた。明らかな過剰な力の行使である。

当局は、警察の強引な対応は問わず、デモをフーリガン行為だとして、捜査していると思われる。しかし捜査すべきは、警察の過剰な力の行使である。デモは、交通を妨害したかもしれないが、非暴力であった。 人権を侵害した治安部隊を罰し、あるいは起訴すべきである。

地元の活動家によると、8月1日から予定されている大幅な電気料金の値上げ方針を当局が期限までに取り消さなかったため、数百人がエレバンの中央広場の抗議デモを離れ、大統領府へ向かって行進を始めた。

警察は、違法な行進を非常線で止めたと主張している。デモ参加者は、少人数で大統領に会い陳情書を渡すという提案を拒否したと思われる。そのかわりに、彼らは道路に座り込み交通を妨害した。

目撃者がアムネスティに語ったところによると、警官が平和的なデモ参加者を殴っていた。

午前5時30分頃、警察はデモ隊に対し放水銃を使用した。座り込みをしていた数人が立ちあがろうとしたが、噴流の勢いで群衆の中に押し戻され、警察に拘束された。デモ参加者数人が、警官に向かって水のボトルを投げつけた。放水銃が使用されるまでは、暴力に訴えることはなかった。

警察の発表では、石が投げられ、少なくとも参加者7名と警官11名が負傷している。重傷者は出なかった模様だ。

警察も目撃者も、非暴力のデモ隊だけでなく、ジャーナリストも標的となったと語った。 ジャーナリストは記者証を提示したが、警察に押収され、ビデオ機器は壊された。

警察が特にジャーナリストを標的にしたという証言は、表現の自由にとって憂慮すべき事実であり、これもまた独立した捜査が必要である。

アムネスティ国際ニュース
2015年6月23日

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