アムネスティ報告にロンドン金属取引所が動く

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2017年12月 3日
[国際事務局発表ニュース]
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トピック:企業の社会的責任

アムネスティは、世界的ブランドの企業がコンゴ民主共和国における人権侵害に加担している事実を突き止め、報告書にして公表してきた。11月には2回目の報告書を出したが、その報告書に、非鉄金属取引の世界的な中心地であるロンドン金属取引所が反応し、調査に乗り出した。会員企業に対し12月1日までに各社が責任を負うサプライチェーン(原料の段階から製品やサービスが消費者の手に届くまでの全過程)の詳細説明の提出を求めている。

コバルトのサプライチェーンから傷ましい児童労働問題を根絶するには、透明性の確保が極めて重要であり、ロンドン金属取引所がコバルト取引をめぐる闇を白日にさらすと誓ったことは、大いに歓迎すべきだ。

およそ2年前、アムネスティは、コンゴ民主共和国で過酷で危険な環境の中、子どもたちの手で採掘されたコバルトがどのような経路でスマホや電気自動車のバッテリーに入り込むのか、またどれだけ多くの大手メーカーが自社で使うコバルトの採掘地を知らない(あるいは言わない)のか、その実情を明らかにした。

同取引所は、企業にコバルト調達で責任ある行動を強く求めており、そのうちの1社の調査を開始した。この対応は、企業が人権侵害から利益を上げることがないようにする上で、重要な一歩である。

責任ある調達に関する明確な国際ガイドラインがあるにもかかわらず、サプライチェーンを精査せず、社名が公表されないと腰をあげないのは、許されない。

企業は、言い訳はやめ、製品を構成する部品・素材に対する責任を明確にしなければならない。まずやるべきことは、自社のサプライチェーンが潔白で公正であることを保障するためにどんな方法を講じているのかを公表することである。

アムネスティ国際ニュース
2017年11月23日