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欧州の難民阻止 逃げ場を失う難民

2018年11月19日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:
トピック:難民と移民

リビアで難民が物と同じように売買されているショッキングな映像が流れ、世界に衝撃が走った。それから1年、同国の移民や難民が置かれている状況は依然、厳しいままで、見方によっては、悪化しているとも言える。

EU諸国が移民を制限する政策を掲げ、難民の受け入れが不十分である結果、何千人もの移民や難民が、リビアの収容施設で過酷な生活を強いられ、人権侵害に拍車をかける事態が続いている。

アムネスティは11月12日、このような実態を明らかにした調査報告書を公表した。

EU諸国の非情な措置のために、ヨーロッパの沿岸を目指す何千人もの人びとは、子どもも含めリビアに足止めされ、収容施設に閉じ込められ、人権侵害を受け、逃げ場を失っている。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、リビアにいる庇護希望者5万6,442人を難民登録し、ヨーロッパのみならず他の諸国にも、難民の受け入れを何度も呼び掛けてきた。

しかし、受け入れを約束したのは、12カ国、合計3,886人にとどまる。これまでに再定住できた人数は、リビアとニジェールにいた1,096人に過ぎない。イタリアは昨年12月から今年2月にかけて、リビアから312人を受け入れたが、それ以降は、ゼロだ。

EU諸国は過去2年間、地中海を渡ってくる難民・移民を阻止すべくリビア沿岸警備隊を増強し、リビア民兵と共謀してNGOの難民捜索・救助を邪魔するなど、さまざまな手段で地中海ルートからの流入を阻止してきた。

この結果、地中海ルートでイタリアに到着した難民数は、昨年1月から11月までで11万4,415人だったが、今年は11月現在で2万2,232人にとどまり、8割も減少した。リビアの施設には現在、おおよそ8,000人が収容されている。

この難民施設から脱出する唯一の方法は、国連が運営する制度を利用しての第三国への移動だ。母国に帰れない難民たちは、国際社会が提供する再定住地が少なすぎるために、リビアの収容施設に留められているのだ。

UNHCR がリビアで難民手続きセンターを開設することになっているが、先延ばしが続いている。センターを開設し難民認定者が出ることは、まぎれもなく前進だが、処理できる人数は、収容されている庇護希望者のごく一握りにすぎず、状況を大きく変えるのもではない。

欧州が、難民の生命線である難民地中海ルートを断った今、リビアは、難民が違法で劣悪な環境に置かれている問題を深刻に受け止め、同国にいるすべての人びとの人権を守る取り組みをするべきだ。

アムネスティ国際ニュース
2018年11月12日

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