ユーチューブ ロシアの圧力に屈するな

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2019年2月13日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:
トピック:先住民族/少数民族

報道によれば、クリミアを実効支配するロシアのメディア監督官庁、情報技術・通信省が、ユーチューブ社に対し、ロシア支配下での人権侵害を告発してきた活動家エミール=ウセイン・ククさんの動画をユーチューブから削除するよう命じた。

クリミアを違法に併合して以来、ロシアは、クリミアでのあらゆる反対や抵抗を抑圧し、多数を投獄してきた。ククさんも、先住民族タタール人への弾圧の問題に取り組んできた活動が違法だとして2016年に起訴され、それ以来3年間も勾留されている。家族も脅迫や嫌がらせを受けてきた。そして、今回の動画の削除命令だ。

ユーチューブ社は、この違法な要求に応じてはならない。要求に屈することは、クリミア・タタール人に対する弾圧に加担することになる。

ククさんのユーチューブの動画には、ククさんの人権活動や迫害を受けたときの様子が収められている。動画の削除は、人権擁護を訴える上で痛手となる。

ユーチューブ社は、国際人権基準に沿って対応し、ロシア当局の要求を退けるべきである。同社は、表現の自由と情報の自由を擁護する企業価値を打ち出しているが、その価値が今回、問われている。

ククさんは2016年2月、別の5人とともに逮捕された。5人は、ロシアが非合法とするイスラム組織、ヒズブ・タフリールの一員だとみなされた。全員が容疑を否定している上、同組織はそもそも、ウクライナでは非合法ではない。

さらに、ロシアはこれまで、ククさんや5人の容疑を裏付ける証拠を一つも示したことがない。

アムネスティ国際ニュース
2019年2月7日