- 2019年2月25日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:
- トピック:難民と移民
ナウル政府は2月15日、庇護希望者や難民患者のオーストラリアでの治療をめぐり、治療が必要かどうかの診断は遠隔ではなく対面にするなどと定めた法案を可決した。
2日前の2月13日には、オーストラリアが、緊急治療を必要とするナウルとアヌス島の庇護希望者らの入国を認める法律を可決していた。これに対して、搬送治療を制限するナウルの法律は、オーストラリアの法律の裏をかく形となった。
しかし、オーストラリアから門前払いを食い、ナウルに送り込まれた庇護を求める人びとは、さらなる悲劇に直面するおそれがある。その中には子どももいる。
ナウルはこれまでも、庇護希望者らに必要な医療を提供してこなかったが、今回、搬送を厳しく制限したことで、オーストラリアのみならず、ナウルでも難民の人権が打ち捨てられている状況が浮き彫りになった。
オーストラリア政府は、国外での庇護希望者ら収容政策で多くの犠牲者を出してきた。今回オーストラリア連邦議会の法案可決は、そんな政府への反旗となった。
難民問題の真の解決策は、オーストリアが、ナウルとマヌス島の庇護希望者らが必要とする医療や各種サービスを受けられるよう保障すること、さらに、違法で非人道的な国外での難民収容をやめることである。
背景情報
オーストラリアのスコット・モリソン首相は、治療目的で庇護希望者らの入国を認める法案が可決された直後、インドネシア沖にある自国領クリスマス島の収容施設を再開すると発表した。
オーストラリアは、国際的義務に則り、自国か他国かを問わず沖合の島での収容施設を閉鎖するべきだ。
クリスマス島の当局者は、同島には専門医はいないし、精神衛生面に対応する態勢も整っていないと話している。
アムネスティ国際ニュース
2019年2月20日