ブルネイ:残虐な刑罰撤廃へ一歩前進

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2019年5月 9日
[国際事務局発表ニュース]
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トピック:死刑廃止

ブルネイのハサナル・ボルキア国王は5月5日、死刑判決を出さない現在の方針を今後も続けると発表した。これは、4月3日から全面的に施行されたシャリア刑法にも適用される。イスラム法に基づくシャリア刑法には、同性間の性行為に石打ちによる死刑を規定している。

死刑を科さないという発言は歓迎すべき前進だが、シャリア刑法が石打ち刑を定めている限り、いずれこの刑罰が言い渡される可能性がある。

国王はまた、国連拷問等禁止条約(拷問および他の残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取り扱いまたは刑罰を禁止する条約)に批准する意向も明らかにした。同国は、同条約に2015年に署名はしたが、批准はしていなかった。

シャリア刑法には、石打ちや手足の切断、むち打ちなどの刑が定められている。残虐で非人道的なこれらの刑罰の存在は、憎しみが残虐性を容認する社会を生むだけであり、直ちに廃止されるべきである。

背景情報

国王は声明の中で、「シャリア刑法の施行に対する多くの疑問や誤解があることは承知しているが、こうした誤解が払しょくされれば、同法の利点は明らかになる」とも語った。

シャリア刑法は、慣習法に基づく現行の刑法と並行して運用される。

ブルネイは、法律上では死刑を存置しているが、事実上廃止している。前回の死刑執行は、1957年だった。

アムネスティ国際ニュース
2019年5月6日