香港:警察はデモ隊への武力行使をやめよ

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2019年6月13日
[国際事務局発表ニュース]
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6月12日、逃亡犯条例改正に反対する人びと数千人が、香港の立法会や政府本部庁舎周辺に集まった。警官隊は、催涙スプレー、催涙弾、ゴム弾などを使って、デモ参加者の強制排除に乗り出した。

デモ参加者のほとんどは非暴力であり、警官隊のこの卑劣な対応は、国際法違反である。治安の維持は治安当局の務めではあるが、武力行使は、あくまで絶対に必要な場合に限定される。今回の警官隊の対応は、この基準を踏み外している。

警官隊は、ごく一部の暴力行為を逆手に取る形で、大多数の非暴力な人びとに過剰な力を行使した。

催涙弾やゴム弾など狙いが定めにくい武器を群衆に向かって放てば、重傷者や死者を出すおそれがある。これらの武器は、特定の暴力行為に対してのみ使用されるべきで、デモの排除に使われるべきではない。

警官隊の過剰な対応は、デモを終わらせるのではなく、緊張をさらに高め、デモ参加者を暴徒化させるおそれがある。

警察は、これまで繰り返してきた力による強制排除をやめ、合法的なデモの権利の行使を尊重すべきである。

背景情報

6月12日午後、警官隊とデモ隊が対峙する一部のところでは、小競り合いから衝突に発展した。警官隊が放った催涙ガスは、非暴力で訴える人びとがいる場所にも降ってきた。警官隊が複数の通りを封鎖したため、逃げ場を失った人びとであたりは騒然となった。

逃亡犯条例改正案が成立すれば、香港にいる刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡すことが可能になる。その結果、中国当局は、中国政府に批判的な人、人権を擁護する人、記者、NGO関係者らを狙い撃ちしてくるだろう。アムネスティは、70のNGO団体とともに、林鄭月娥香港特別行政区行政長官に、人権侵害に直結するこの条例改正案を直ちに撤回するよう求めている。

アムネスティ国際ニュース
2019年6月12日

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