- 2019年9月 5日
- [国際事務局発表ニュース]
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©Jimmy Lam @everydayaphoto
香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は9月4日、逃亡犯条例改正案の撤回を表明した。遅きに失する撤回ではあるが、歓迎したい。しかし、抗議する市民を当局が力で排除しようとしたという事実は残る。この対応は不信感と政府の正当性への疑問を、香港の人びとに植え付けた。
逃亡犯条例改正案は、当初からその問題が明らかになっていた。にもかかわらず、香港政府は、法案を撤回するどころか、抗議する市民に催涙ガスやゴム弾を放ち、無用な緊張を生み、数カ月におよぶ混乱を引き起こした。
アムネスティは、香港政府に対して警察が過剰な力を行使したことに公正で徹底した捜査を強く求める。また、各国政府に対しては、香港が、捜査結果を受けて力の行使に対する適切な保障措置を講じるまで、ゴム弾などのデモ鎮圧用の非致死性兵器を香港に供給しないよう、今後も求めていく。
法案の撤回は、一つの前進である。しかし、香港政府が、人権尊重に真摯に取り組んでいること、また、政治的信条とは関係なく、市民が各種の権利を享受していることを世界に示す上で、課題は山積みである。
アムネスティ国際ニュース
2019年9月4日