- 2019年10月16日
- [国際事務局発表ニュース]
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英内相、米司法長官・国土安全保障長官、オーストラリア内相は公開書簡で、フェイスブックに対して法執行機関がメッセージサービス上の暗号化されたやり取りの閲覧を可能にする対応を求めた。3カ国が、数10億人にのぼるフェイスブック・メッセンジャーやワッツアップ利用者の安全性後退を求めたという事実は、衝撃的である。これに対して、フェイスブックが反発したのは、当然である。
暗号化技術を危険にさらすことが安全保障上、有効だと政府が考えているのであれば、お門違いもはなはだしい。
メッセージの暗号化は、オンライン上の人権保護には欠かせない。安全な暗号化がなければ、人びとはより弱い立場に置かれてしまうだろう。
3カ国はバックドア(システムへの侵入口)の設置を求めているが、そうすれば秘密が秘密でなくなることは、過去の例で明らかだ。妥協点などあり得ない。当局に暗号化回避を認めれば、誰もが回避できるようになる。
人気アプリのセキュリティを弱めるということは、世界中の何十億人もの権利を損なうことになる。世界に出回るメッセージアプリは数多い。悪事を企む連中は、一つのアプリが危険だと知れば他のアプリを利用する。このことを忘れてはならない。
市民の批判に敏感な当局は、個人間のメッセージのハッキングをすでに行なっている。その結果、ターゲットとなる市民、記者、人権活動家らが致命的な事態に追い込まれることもある。
暗号化は、基本的なプライバシー対策・安全対策だ。私たちが自宅で安心してくつろぐ上で、ドアの施錠が欠かせないのと同じである。
アムネスティ国際ニュース
2019年10月4日