ブルキナファソ:武装集団による村人虐殺

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2020年3月28日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ブルキナファソ
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(C) ROMARIC OLLO HIEN/AFP/GettyImages
(C) ROMARIC OLLO HIEN/AFP/GettyImages

ブルキナファソ北部地方のヤテンガ県で3月8日、複数の村が武装集団に襲われ、少なくとも村民43人が死亡した。治安当局は、襲撃犯を見つけ出し、裁判にかけると同時に、地域住民の保護に本腰を入れるべきである。

襲撃を受けたのは、ヤテンガ県のデングィラ・ペウル、バーガ、ラムドラ・プールの3つの村だ。アムネスティが聞き取りをした住民によると、襲ったのは、コルウェオゴという自警団で、軍と行動することが多い武装集団だ。一方、当局は、集団の特定はできないとしている。

デングィラ・ペウルの村人によると、3月8日の早朝、ライフルを持ちバイクに乗った一団が村に乗り込んできた。無差別に発砲し、住民24人を殺害し、金品やバイクを強奪して立ち去った。その後、バーガ村に向かい、そこでも村民を殺害し、さらに次の村では、住居などに火を付けたという。

一人の男性によると、襲撃犯の一人が息子の顔に向けて銃の引き金を引き、顎を砕いた。息子はそれ以来、話すことができなくなったという。

別の村人は、「家や穀倉庫、荷車、バイクなどを焼き払われ、住民はとにかく逃げるしかなかった」と語った。

祖国防衛ボランティア法

今年1月、「祖国防衛ボランティア」を育成するための法律が施行された。サヘル地方など北部地域では民族の分断が激化し、また武装集団も勢力を拡大しており、同法は暴力への対応として市民に地域社会の防衛を担わせるものである。

法律上、ボランティアは村や居住地ごとに募集され、村や県議会の承認を経て、登録が決まる。2週間の訓練を受け、軍の指揮下で活動する。更新は1年ごとに行われる。活動地域は自分の居住地域内のみとされている。しかし、ボランティアに採用されたコルウェオゴのメンバーは地域外でも活動し、さらに、人権侵害に当たる行為に手を染めている。

当局は、コルウェオゴなどのような、人命を虫けら同然に扱う武装集団に対して、ボランティアの動員を禁止するなどの措置を取るなどして、住民の安全確保を図るべきである。

襲撃で増える犠牲者

武装勢力の襲撃による死者は、激増している。一昨年は死者173人に対し、昨年は1,295人と6倍以上となった。

公式発表では49人、市民情報では210人近いとも言われる犠牲者を出した昨年1月のイルグーの虐殺事件では、1年の捜査を経て12月にコルウェオゴの最高幹部が逮捕・収監されたが、今年の2月には仮釈放されてしまった。

イルグー虐殺など重大な襲撃事件の捜査と加害者の裁判が、法に則って行われることが、何よりも重要である。

住民は、武装勢力が繰り返す襲撃であまりに大きな犠牲を払わされてきた。治安当局は、一刻も早く襲撃犯や幹部を拘束し、法の裁きを受けさせ、不処罰と襲撃の悪循環を断ち切らなければならない。

アムネスティ国際ニュース
2020年3月20日

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