- 2020年5月 1日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:
- トピック:企業の社会的責任
(C) DENIS CHARLET/AFP via Getty Images
新型コロナウィルス危機が続く中、アマゾン社は、世界各国の従業員に十分な健康と安全を保障しなければならない。
米国では、倉庫で働く従業員数百人が不十分な感染対策に抗議して、4月24日に一斉に病気休暇の電話をする予定だ。労働者団体によると、すでに数百人が自宅で待機しているという。
また、健康上の懸念を訴えた従業員が解雇されているという申し立てもある。アマゾンは、会社に物申す労働者の権利を保障すべきである。
従業員は、命の危険を冒しながら必需品の倉庫管理や配送業務に励んでいる。
世界屈指の高収益をあげるアマゾンだが、今回のコロナ危機で、さらに収益を急拡大させている。一方で、従業員は、自分たちの安全が蔑ろにされているという不満を抱いている。なんとも、理不尽な話である。
ジェフ・ベゾス最高経営責任者は、従業員が訴える当然にして重大な懸念に進んで対処する必要がある。利益は、決して人より優先させてはならない。
アマゾンは、無期限の無給休暇を取得できる制度を3月に導入したばかりだが、この制度を停止するという言語道断の決定をした。インディアナとニュージャージーにある倉庫では、従業員が健康上の危険を冒して仕事を続けるか退職するか、究極の選択を迫られている。
感染対策で率直に意見を言っただけで解雇されたという申し立ても数件ある。アマゾンは、従業員が報復を恐れることなく、健康や安全の懸念、リスクを訴えられる環境をつくらなければならない。
背景情報
アムネスティは、アマゾンに書簡を送り、コロナ危機の中の労働者の権利を保証するためにどのような取り組みをしているか尋ねたが、回答は得ていない。
企業には、事業地を問わず、労働者に安全な労働環境を提供する責任がある。従業員の健康と安全を徹底し、職場での感染リスクを最小限に抑える措置が求められている。
国際法・基準は、労働者が健康や安全の危険性について申し立てができる制度などの設置を、雇用者に義務付けている。課題は対話によって解決すべきで、通報した従業員に対する報復措置など、あってはならない。また、労働者には、合理的に考えて健康上の重大な支障があるとみなされる職場から離脱し、その危険性がなくなるまで自宅に待機する権利がある。
コロナ危機の中、オンラインで買い物をする人が増えている。世界中で利用者が急増しているアマゾンだが、フランスやイタリア、米国各地で、コロナ対策への懸念や労働問題で従業員たちによるストライキや職場放棄が発生している。
アムネスティ国際ニュース
2020年4月24日