フェイスブック:知名度の高いユーザーの悪質な書き込みを容認

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2021年9月25日
[国際事務局発表ニュース]
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トピック:企業の社会的責任

ウォール・ストリート・ジャーナルが入手したフェイスブックの社内文書によると、フェイスブックは、知名度の高いユーザーを特別扱いし、プラットフォームの利用規約の一部または全部を免除していることが明らかになった。

フェイスブックは、社会に有害で悪意のある書き込みの拡散を助長しているということをまたしても示すことになった。

フェイスブックは、「憎悪(の書き込み)からは、利益を得てはいない」と主張する。しかし、今回、匿名の告発者が提供した社内資料によると、著名なユーザーに対して、嫌がらせや虚偽の主張、暴力を扇動するような書き込みが好き勝手にできるシステムが作られている。

この対応から、フェイスブックは、影響力があれば何をしても許される、とみなしていることがわかる。また、同社がこれまで一般に説明してきたことが、今回の社内文書の内容と大きく食い違っているようで、同社の信頼性を揺るがすことになる。

最終的には、問題の根っこを正すしかない。フェイスブックの収益源である広告事業だ。

広告事業を支えるのが、莫大な量の個人情報を収集してプロファイリング(集めた個人データをもとに人の関心や行動を予測)し、広告料を得るというビジネスモデルだ。そのためのアルゴリズム(コンピューターの情報処理の方法や手順)が、偽情報や社会の分断、人種差別などを煽っている。一方で、フェイスブックの利用時間が増える同社にとっては、広告収入増につながるという具合だ。

各国は、オンライン上での人権を保護するために、即刻規制を導入すべきだ。今回の内部告発は、企業の自主規制には頼れないことを明確に示している。

背景情報

フェイスブックには注目度の高いアカウントに対して強制措置を決定する前に、追加の内部審査を行う目的で、「クロスチェック」(X-check)というプログラムを導入している。

しかし、ウォール・ストリート・ジャーナルが入手した文書は、この追加審査が行われていないことを示唆する。フェイスブックはクロスチェックを利用して著名なユーザーを「ホワイトリスト」に登録し、嫌がらせや暴力の扇動など利用規約に違反した場合でも、書き込み削除やアカウント停止などの措置を受けないようにしていたとされる。

フェイスブックは、ウォール・ストリート・ジャーナルに「当社は、使用規約に反する内容は、誰が投稿したかを問わず削除している」と回答している。

アムネスティ国際ニュース
2021年9月13日

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