- 2023年7月12日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:アラブ首長国連邦
- トピック:気候変動と人権
2013年、アラブ首長国連邦(UAE)が市民60人を集団裁判にかけ、長期の禁錮刑を言い渡してから10年が経つが、不当な実刑を言い渡された市民60人の投獄は今も続いている。60人中51人はすでに刑期を終えたにもかかわらずだ。
UAEが第28回気候変動枠組条約締約国会議(COP28)の議長国に決まり国際社会の注目を浴びるようになって半年になるが、不当な投獄をめぐる状況は変わっていない。
UAEに影響力を持つはずの国々はいずれも、即時釈放されるべき人たちの問題について、残念ながら沈黙を守っている。議長国が参加者の表現の自由を制限する法律を持ち、市民社会を萎縮させた過去を持つという環境で開催されれば、COP28は気候崩壊を回避する上で求められる野心的対策を打ち出すことはできないだろう。
2013年にあった集団裁判では、政権に批判的な人たちが実刑判決を受け投獄された。この対応はUAE にとって今に至るまで人権面での大きな汚点になってきた。
人権侵害がはびこる国での開催によりCOP28がその信頼性が損なわれることなく、緊急で実効性ある気候変動対策の実施に向けて、各国は不当に拘束されている人たちを即時釈放するようUAE政府に圧力をかけなければならない。
背景情報
2012年3月、UAE当局は市民の逮捕と起訴を開始し、94人が集団裁判で裁かれ、2013年7月にすべての審理が終わった。被告たちはムスリム同胞団の関係組織アル・イスラと関係していたとされ、起訴状によると「国の統治制度を変えようとした」という。
有罪になった69人のうち、60人は今も投獄されたままで、60人中51人はすでに刑期を終えているにもかかわらず、「過激主義撲滅のための指導」を口実に収監が続いている。
アムネスティほか52の団体が、60人を含む恣意的な収監が続く人たちの即時釈放を求める請願書をUAE政府に提出している。
COP28は今年11月30日から12月12日までの13日間、UAEのドバイで開かれる。198カ国が参加し、気候変動による地球規模の脅威に対応策を協議し採択する予定だ。
アムネスティ国際ニュース
2023年7月2日
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