石油への巨額投資要請 気候変動への脅威

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2023年10月16日
[国際事務局発表ニュース]
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トピック:気候変動と人権

石油輸出機構(OPEC)のハイサム・アル=ガイス事務総長は石油業界に対して、2045年までに12兆米ドル(おおよそ1790兆円)という巨額の投資を呼びかけた。

石油開発への大規模な投資は、確実に気候変動の悪化を招き、人権を脅かすことになる。これは、緊急を要する気候変動対策と、平均気温の上昇を1.5度以下に抑制するという国際的な取り組みに対する重大な脅威であり、何十億という人びとに対して壊滅的な影響をもたらすおそれがある。

これとは逆の持続可能な未来への適切な道筋とは、包括的で迅速かつ公平な化石燃料の段階的な廃止と、それに並行して再生可能エネルギーに投資を行い、公正で人権重視のエネルギーに転換することだ。こういったレベルの投資は特に低所得国で助成金という形で、再生可能エネルギーや気候変動への対応に向けられるべきだ。

ハイサム・アル=ガイス氏は、石油への大規模な投資がなければ、エネルギーの安全保障が危機にさらされると主張する。しかし、規制なき石油産業が気候に悪影響を与え続けるならば、人類にとってはるかに危険なことになる。各国が今世紀の世界の平均温度の上昇を1.5°C未満に抑えるという意欲的な目標を達成するなら、新たな化石燃料採掘プロジェクトが入り込む余地はない。

化石燃料の開発により、大気中の温室ガス濃度はすでに記録的な水準に達している。今年、世界各地で山火事や洪水が発生した。記録的な暑さの後、前例のない豪雨もしばしばあった。もし石油産業が規制なく開発を進めた場合、気候変動が引き起こす災害は一層深刻化する可能性がある。

誰もが清潔で健康的で持続可能な環境を享受する権利がある。化石燃料企業は、炭素が支える経済モデルを維持して気候に被害を与えないようにする責任があり、直接的であれ間接的であれ政府へのロビー活動を控えなければならない。

アムネスティ国際ニュース
2023年10月3日

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