- 2025年7月 3日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ジョージア
- トピック:表現の自由
ジョージアの裁判所は、政府から独立した5つの市民社会団体に対し、団体が人権活動を通じて保護している人びとに関する極めて慎重に扱うべき情報を提出するように命じた。また、活動内容や助成金に関する情報の提出も命じた。
この命令は、当局がジョージアにおける表現の自由、結社の自由に対する抑圧を強めていることを示す。当局は司法制度と反汚職局を利用して、人権擁護者、活動家、政府から独立した市民社会団体を弾圧している。正義を追及し汚職と闘う人びとを標的にすることは、表現の自由、結社の自由等ジョージアが負う国際人権義務に反する。
市民社会や人権活動者らは、拷問や性的暴力、汚職、その他の人権侵害に苦しむ人びとを保護してきた。保護対象の名前、写真、銀行取引記録、健康情報など機微情報の提出を強制することは、組織の独立性と自主性を制限し、組織運営に対し政府の過度な介入をもたらし、こうした人権活動を妨げる。プライバシー、表現の自由、結社の自由に対する明白な権利侵害を許してはならない。
当局は直ちに命令を撤回し、市民社会団体の独立性と自主性を標的にした抑圧的な法律を廃止し、人権活動家らが報復を恐れることなく自由に活動できることを保証すべきだ。
背景情報
2025年6月12日付けのトビリシ市裁判所命令により、反汚職局は、5つの市民社会団体(トランスペアレンシー・インターナショナル・ジョージア、女性権利擁護団体サパリ、市民社会基金、経済政策研究センター、ジョージア未来アカデミー)に対し、2024年1月1日から2025年6月10日までの期間における事業計画、経営情報、財政情報、個人情報を要求できる権限を与えられた。団体の全関係者と活動の恩恵を受ける個々人の情報も対象となる。
命令の根拠となったのは「助成金に関する法律」「市民の政治的団体に関する法律」「反汚職法」だ。これらの法律はすべて、結社の自由、表現の自由、その他の人権の抑制をしようとする与党「ジョージアの夢」によって、ここ最近、改正された。裁判所が名指ししたNGOはこの動きを非難し、法廷で争うと明言している。
アムネスティ国際ニュース
2025年6月19日
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